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人間の未来 AIの未来
 [コンピュータ・情報科学]

人間の未来 AIの未来  
山中伸弥/著 羽生善治/著
出版社名:講談社
出版年月:2018年2月
ISBNコード:978-4-06-220972-4
税込価格:1,512円
頁数・縦:223p・19cm
 
 
 ノーベル賞学者と、国民栄誉賞の「永世七冠」との異色対談。
 羽生氏が結構物知りなのには驚いた。NHKの番組「NHKスペシャル 天使か悪魔か 羽生善治 人工知能を探る」(2016年5月放送)に出演し、人工知能に関してさまざま研究を取材した成果なのかもしれないが、なかなかの博識ぶり、インテリぶりを披露している。天才は、単に将棋の才能だけではないらしい。
 
【目次】
第1章 iPS細胞の最前線で何が起こっていますか?
第2章 なぜ棋士は人工知能に負けたのでしょうか?
第2章 人間は将来、AIに支配されるでしょうか?
第4章 先端医療がすべての病気に勝つ日は来ますか?
第5章 人間にできるけどAIにできないことは何ですか?
第6章 新しいアイデアはどこから生まれるのでしょうか
第7章 どうすれば日本は人材大国になれるでしょうか?
第8章 十年後、百年後、この世界はどうなっていると思いますか?
 
【著者】
山中 伸弥 (ヤマナカ シンヤ)
 1962年、大阪府生まれ。神戸大学医学部卒業。大阪市立大学大学院医学研究科修了(博士)。米国グラッドストーン研究所博士研究員、京都大学再生医科学研究所教授などを経て、2010年4月から京都大学iPS細胞研究所所長。2012年、ノーベル生理学・医学賞を受賞。
 
羽生 善治 (ハブ ヨシハル)
 1970年、埼玉県生まれ。将棋棋士。1985年に史上3人目の中学生プロ棋士となる。1996年には竜王、名人ほか7つのタイトルすべてを獲得。棋聖のタイトルを保持していた2017年に竜王の座に返り咲き、前人未到の「永世七冠」の称号を得る。2018年2月に国民栄誉賞受賞。
 
【抜書】
●家元制度(p139、羽生)
 将棋はもともと家元制度で、江戸時代には一部の人しか指せない閉じた世界だった。名人も世襲制。
 大正時代以降、将棋連盟が設立され、実力次第で誰でも入れるような世界になった。
  ⇒ 大橋家本家、大橋家分家、伊藤家の3将棋家が家元らしい。「将棋」『ニッポニカ』より。
 
●回旋型(p192、山中)
 日本……直線型思考の文化、直線型思考の民族。「この道一筋」という生き方が称賛される。
 米国……回旋型思考の文化。自分の興味に応じて、ある意味フレキシブルにクルクルと回って移り変わることができる。新しい技術ができたら、すぐに飛びつく。
 
●造血幹細胞(p202、山中)
 血液を作る細胞である「造血幹細胞」が骨髄にある。
 生まれたときは1万個くらい。造血幹細胞自体はあまり増えないが、分化する途中に前駆細胞を作り出して、その子たちが急激に増えて赤血球や白血球、血小板になってどんどん入れ替わっていく。
 造血細胞も時々は分裂しなければならない。分裂していると、遺伝子に傷が入ったり、寿命で死んでいくものもある。造血幹細胞はだんだん減っていく。
 100歳くらいの人を調べたら、造血幹細胞が2個しかなかった。ゼロになったら老衰による死。
 骨髄移植をすれば、移植された造血幹細胞が血液を作り出すようになる。
 心臓も基本的に生まれたままの細胞がずっと残っており、生まれて100年以上たてばやがて心不全になる。
 
(2018/5/3)KG
 
〈この本の詳細〉


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