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マラドーナ独白 1986年のメキシコW杯
 [スポーツ]

マラドーナ独白 ー1986年のメキシコW杯ー  
ディエゴ・アルマンド・マラドーナ/著 宮崎真紀/訳
出版社名:東洋館出版社(TOYOKAN BOOKS)
出版年月:2018年6月
ISBNコード:978-4-491-03544-4
税込価格:1,944円
頁数・縦:293p/図版16p・19cm
 
 
 メキシコW杯で栄冠をつかんだアルゼンチン代表のキャプテン、ディエゴ・アルマンド・マラドーナによる、闘いの日々に関するモノローグ。
 歯に衣着せぬ物言いというか、悪口まる出しというか、あまりにもむき出しで遠慮会釈なく選手や審判、お偉いさんを批判する記述が満載である。まさに反逆者の面目躍如ではある。素行にいろいろと問題はあるが、マラドーナが大衆に好かれ、英雄視される理由の一端が、そのワルで反抗的なところにあるのだろう。
 
【目次】
第1章 誰も望まなかった代表チーム
第2章 あの何度かのミーティングでチャンピオンが生まれた
第3章 マラドーナをぶっつぶせ
第4章 マンマ・ミーア
第5章 FIFAと対決する
第6章 メキシコでラプラタ川を渡る
第7章 これもある種の決勝戦だった
第8章 マラドーナ対マラドーナ
第9章 そうとも、世界一だ
第10章 次のチャンピオン
 
【著者】
マラドーナ,ディエゴ・アルマンド (Maradona, Diego Armando)
 1960年アルゼンチン、ブエノスアイレス生まれ。史上最高の選手としてその名を挙げる者も多い、伝説のサッカープレーヤー。アルヘンティノス・ジュニオルスを皮切りにボカ・ジュニオルス、FCバルセロナでプレーしたのち、SSCナポリに移籍し、セリエAとUEFAカップで優勝を果たした。アルゼンチン代表としてもユース時代から活躍(1979年Wユース選手権日本大会で優勝)、1986年W杯メキシコ大会でフル代表チームを優勝に導いたほか、1990年イタリア大会では準優勝し、1982年スペイン大会、1994年アメリカ大会にも出場した。
 
【抜書】
●不良(p78)
 〔理由は忘れたが、俺は不良たちと一緒に、ミーティングに15分遅れて到着したんだ。パサレラによれば、パスクッリ、バティスタ、イスラス、俺は不良なんだそうだ。俺たちは外出して、少々自由な時間を楽しんだ。遅れたのはたった15分だぜ? それから俺たちは、パサレラのお説教をこんこんと聞かされた。独裁者パサレラらしい言い草だった。キャプテンが遅刻するとは何事だ、とか何とか。〕
 
●韓国(p108)
〔 だが、優勝するには試合に、いくつもの試合に勝たなければならない。まずは何より初戦だ。考えてもみてくれ、パクや、チョウや、ヨンとかいう選手たちと戦ってもし俺たちが負けたら何て言われるか! 俺たちは相手プレーヤーたちの名前も知らなかったし、ビラルド監督に至っては俺たち以上に知らなかった。ビデオを観せられたけど、誰が誰だかさっぱりわからなかった。だって、みんな同じに見えたんだ!〕
 ※なんという侮辱的発言!
 
●反逆者(p151)
 〔とにかく勝つこと。勝てば、連中(※FIFAの幹部)は俺たちの言うことにもっと耳を貸すようになるだろう。負ければ、ただの愚痴り屋と見なされる。そして俺は、絶対に愚痴り屋なんかじゃない。俺たちは反逆者だった。だが、その反逆の中には、プロとしての矜持と責任感があるとわかっていた。〕
 W杯メキシコ大会の予選リーグ第3戦ブルガリア戦が、正午キックオフだった。そんな暑い時刻に、あの標高とスモッグの中でプレーさせることに対して、FIFAのアヴェランジェ会長に抗議した。
 アヴェランジェ「選手はプレーすればそれでいい。しゃべるのは、そして決まりごとを作るのは、われわれ上層部の役目だ」
 マラドーナ「いいですか、アヴェランジェさん、われわれプレーヤーは誰の奴隷でもありません。もちろんあなたの奴隷でもない」
 
●月桂樹(p187)
 ルコック・スポルティフが作ったアルゼンチンのホーム用ユニフォームは、メキシコの暑さ対策としてメッシュになっていた。
 しかし、ビジター用は、水分がしみこむとセーターのようになる代物だった。雨中のウルグアイ戦。
 イングランド戦もビジター用だったので、代表チームのスタッフがメキシコシティーのスポーツ店40件を探し回り、2種類のサンプルモデルを持ってきた。試合の前日、その一方に決め、発注した。
 クルブ・アメリカ(アルゼンチン代表の合宿所)付きの二人の仕立て屋が、エンブレムを刺しゅうしてくれた。しかし、月桂樹を付けるのを忘れた!
 背番号は、銀色のラメ入りだった。〔ピッチに出たとき、まだ顔がきらきらしているやつが何人かいたよ。〕
 
●ドバイ(p292、訳者あとがき)
 マラドーナは、現在、ドバイで王族の支援を受け、悠々自適の暮らしを送っている。
 
(2018/9/26)KG
 
〈この本の詳細〉


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