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僕の島は戦場だった 封印された沖縄戦の記憶
 [社会・政治・時事]

僕の島は戦場だった 封印された沖縄戦の記憶

佐野眞一/著
出版社名 : 集英社インターナショナル
出版年月 : 2013年5月
ISBNコード : 978-4-7976-7246-6
税込価格 : 1,680円
頁数・縦 : 318p・20cm


 太平洋戦争末期の沖縄戦、特に集団自決に関するルポルタージュ。戦争を体験したさまざまな人に対するインタビューを中心に構成されている。
 当時の人口の四分の一が戦争によって失われたという。あれから70年近くたち、沖縄出身の人と話をしても、沖縄を訪ねてみても、そんな事実を切実に感じることはない。しかし、本書を読むと、いまだにその傷を背負って生きている人たちがたくさんいることを思い知らされる。
 沖縄に人たちに集団自決を迫った軍人たちは、ウチナンチューは、日本人すなわち天皇の民とは認めていなかったのだろう。だからこそあんなむごい仕打ちができたのだ。集団自決を迫った軍人、村長など村の三役は、村人たちと一緒に死なず、その場を生き残ったらしい。

【目次】
第1章 「援護法」という欺瞞
 靖国問題と戦争孤児
 沖縄戦の心象風景
 犠牲者が戦闘参加者に
 軍用地料と遺族年金
 ヤマントチュの怒り
 対馬丸事件の生存者
 六五年ぶりの慰霊祭
 沖縄と天皇の複雑な関係
第2章 孤児たちの沖縄戦
 難航した孤児たちへの取材
 「集団自決」で家族を失う
 いまも弟を捜して
 祖母の腕を斬り落とす
 いまそこにある沖縄戦の傷跡
 水だと思って飲んだ血
 晩発性PTSD
第3章 「幽歴は私の友だち」
 『沖縄戦新聞』の衝撃
 「母親に手をかけ号泣」
 「戦艦大和撃沈
 「お前たち人間か」
 和平工作より「国体護持」を優先
 伯母と二人で三八年間
 創価学会員になった戦争孤児
 頭に包帯を巻いた少女の消息
 孤児の世話をした元「ひめゆり」
 子どもたちは夜になるとしくしく泣いた
 足手まといの兵隊は殺す
第4章 那覇市長の怒り
 神から選ばれし子どもたち
 ウルトラマンとニライカナイ
 沖縄戦と心の傷
 十キロ爆弾を担いで敵戦車に体当たり
 戦争の爪痕と世代間伝達
 沖縄県対米請求権事業協会とは
 「オールジャパン」対「オール沖縄」
 祖父も叔母も沖縄戦で死んだ
 沖縄は日本の植民地か?
第5章 「集団自決」の真実
 「集団自決」の島
 生き残った少年
 出生地は尖閣諸島
 「母は号泣していました」
 息もできない話
 太陽の子
 逝きし世の面影

【著者】
佐野 眞一 (サノ シンイチ)
 1947年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務などを経てノンフィクション作家に。1997年『旅する巨人―宮本常一と渋沢敬三』で第28回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。2009年、『甘粕正彦 乱心の曠野』で第31回講談社ノンフィクション賞を受賞。

【抜書】
●金城哲夫(p207)
 ウルトラマンなどの脚本を書いた金城哲夫、沖縄県南風原町(はえばるちょう)生まれ。玉川学園文学部教育学科卒業。高等部から玉川学園。
 円谷プロダクションに就職、『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』合わせて116本のうち、共作も含めて40本の脚本を執筆。
 1969年、退職して沖縄に戻る。
 1976年冬、泥酔して自宅書斎の外階段から足を滑らせて転落、脳挫傷のため37歳の生涯を閉じた。
 もともと、小説家になろうとして沖縄に帰った。沖縄海洋博の演出の仕事で、賛成派と反対派の板挟みで大酒を飲むようになった。
 ウルトラマンは、沖縄のニライカナイ(異界)神話から生まれた。

(2013/8/31)KG

〈この本の詳細〉


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