習近平の本当の敵は中国人民だった! 激動する世界を大局で読む
[社会・政治・時事]
渡邉哲也/著
出版社名:ビジネス社
出版年月:2023年3月
ISBNコード:978-4-8284-2500-9
税込価格:1,650円
頁数・縦:223p・19cm
■
米国との対立を深める中国。習近平は、世界の覇権を目指しているようだが、その野望は実現しないだろうと著者は見る。その理由を、中国の現状を概観しながら解説する。
【目次】
第1章 習近平政権の本当の敵は中国人民
第2章 半導体で過熱する米中対立
第3章 底に落ちていく中国経済
第4章 引き起こされる台湾有事
第5章 中国と付き合う各国の事情
第5章 これからの日本の産業と経済
【著者】
渡邉 哲也 (ワタナベ テツヤ)
作家・経済評論家。1969年生まれ。日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務した後、独立。複数の企業運営などに携わる。大手掲示板での欧米経済、韓国経済などの評論が話題となり、2009年、『本当にヤバイ!欧州経済』(彩図社)を出版、欧州危機を警告し大反響を呼んだ。内外の経済・政治情勢のリサーチや分析に定評があり、さまざまな政策立案の支援から、雑誌の企画・監修まで幅広く活動を行っている。
【抜書】
●金盾(p20)
きんじゅん。中国の情報管理システム(グレート・ファイアウォール)。
中国国内の通信がすべて管理されている検閲システム。
金盾をくぐり抜けて情報交換をするため、反政府的な人々はまず、AppleのスマホアプリであるDropboxを使って文章を共有していた。それに気づいた中国当局は、Appleに対してそのサービスを停止するように命じた。
次に反政府的な人々は、VPNとテレグラム(ロシア製の暗号化ソフト)というソフトを併用して通信しあっていた。反政府的な人々以外にも、多くの国民がこの方式を使い始めた。結果としてゼロコロナ政策に反対するデモの規模も大きくなっていった。
当局は、VPNそのものを使用禁止にした。発覚すると厳罰に処せられる。VPNとテレグラムがインストールされているかどうかをチェックするためのアプリの搭載をスマホメーカーに義務付けることも検討されている。
●ヤマサ醤油(p27)
ヤマサの醤油がないと、ファイザー、モデルナのメッセンジャーRNAのワクチンを作ることができない。
ヤマサ醤油は、江戸時代からの醬油屋。東大の医学部創設を支援した。関東大震災の時に医学部の病院を寄進したくらい、医療とのかかわりが深い。醤油もバイオである。
●都市戸籍(p106)
中国には、都市戸籍の都市住民が3億人いる。その他の地域が8億人前後。中国の人口は、実際は11億人前後?
3億人のうち、1億5000万人くらいがOECDレベル、先進国レベルの生活をしている。年収1000万円以上の富裕層は4000~5000万人と言われている。
(2023/7/8)NM
〈この本の詳細〉
コメント 0