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90歳、それでもぼくは挑戦する。
 [スポーツ]

90歳、それでもぼくは挑戦する。 (単行本)
 
三浦雄一郎/著
出版社名:三笠書房
出版年月:2024年1月
ISBNコード 978-4-8379-2971-0
税込価格:1,540円
頁数・縦:206p・19cm
 
 三浦雄一郎91歳が、自身の生き方を語るエッセー。
 
【目次】
1章 人生の壁をどう乗り越えるか
 夢―人生の目的は「夢中になれるもの」を探すことにある
 チャンス―「試練」を乗り越えた人だけが、手にできること
  ほか
2章 ぼくの「アンチエイジング」法
 体―「自然」がぼくを強くしてくれた
 環境―「景色」を変えれば人生も変わる
  ほか
3章 九〇歳、人生を愉しむコツ
 スキー―いくつになっても、「上達する」のは最高の喜び
 山―「頂上に立つ」ことだけがすべてではない
  ほか
4章 人生、最後まで「挑戦」
 難病―「聖火ランナーを務める」という目標がぼくを救ってくれた
 回復―めげてしまったら幸福はますます遠ざかる
  ほか
 
【著者】
三浦 雄一郎 (ミウラ ユウイチロウ)
 プロスキーヤー、冒険家、教育者。1932年、青森県生まれ。北海道大学獣医学部卒業。1964年、イタリア・キロメーターランセに日本人として初めて参加、時速172.084kmの当時の世界新記録樹立。1966年、富士山直滑降、1970年、エベレスト・サウスコル8000m世界最高地点スキー滑降(ギネス認定)を成し遂げる。1985年、世界七大陸最高峰のスキー滑降を完全達成。2003年、エベレスト登頂、当時の世界最高年齢登頂記録(70歳7カ月)樹立。2008年、75歳で二度目、2013年、80歳で三度目のエベレスト登頂、世界最高年齢登頂記録更新を果たす。プロスキーヤー・冒険家として、また教育者としてクラーク記念国際高等学校名誉校長を務めるなど、国際的に活躍。
 
【抜書】
●準備力(p53)
〔 いくつになっても挑戦し続けよう、と本書で何度も訴えかけていますが、歳を取ってからの挑戦は、より用意周到な「準備力」が必要です。ですから、「コツコツとそのプロセスをおもしろがりながら周到に準備を重ねていく」というのは大事なポイントになると思います。〕
 
●停滞(p56)
 登山において、悪天候などでベースキャンプや前進キャンプの中で何日か過ごさざるを得ないことがある。これを山の世界では「停滞」と呼んでいる。
 
●明日はきっと、もっとよくなる(p118)
 三浦雄一郎の信条。
 
(2024/3/29)NM
 
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宇宙を動かしているものは何か
 [自然科学]

宇宙を動かしているものは何か (光文社新書 1218)
 
谷口義明/著
出版社名:光文社(光文社新書 1218)
出版年月:2022年9月
ISBNコード:978-4-334-04625-5
税込価格:1,078円
頁数・縦:244・18cm
 
 宇宙にある力は、すべて遠隔力である。重力、電磁力、強い力、弱い力……。
 宇宙に満ち溢れ、宇宙を形成している「力」について、その発見の歴史を通じて解説。
 
【目次】
第1章 宇宙を動かすもの
第2章 宇宙にあるエネルギー
第3章 重力と電磁気力
第4章 接触力よ、さようなら
第5章 原子の世界の力
第6章 星のエンジン
第7章 暗躍するブラックホール
第8章 宇宙を動かすエンジン
第9章 進化する宇宙のエンジン
第10章 ダークな宇宙とその未来
 
【著者】
谷口 義明 (タニグチ ヨシアキ)
 1954年北海道生まれ。東北大学理学部卒業。同大学院理学研究科天文学専攻博士課程修了。理学博士。東京大学東京天文台助手などを経て、放送大学教授。専門は銀河天文学、観測的宇宙論。すばる望遠鏡を用いた深宇宙探査で、128億光年彼方にある銀河の発見で当時の世界記録を樹立。ハッブル宇宙望遠鏡の基幹プログラム「宇宙進化サーベイ」では宇宙のダークマター(暗黒物質)の3次元地図を作成し、ダークマターによる銀河形成論を初めて観測的に立証した。
 
【抜書】
●1兆個(p28)
 宇宙には、美しい渦巻銀河や円盤を持たない楕円銀河(三次元形状は回転楕円体)など、1兆個もの銀河がある。
 一つの銀河には、数百億から数千億個もの星々がある。
 
●ウロボロスのヘビ(p93)
  古代ギリシャ時代の象徴の一つ。ウロボロスは自分自身の尾を噛んで輪の形をしているヘビ。語源はまさに「尾を飲み込むヘビ」。
 米国の素粒子物理学者のシェルドン・グラショー(1932-)が自然の階層構造を示すのに用いてから、科学の世界でよく使われるようになった。
 
●クォーク(p104)
 私たちのよく知っている核子である陽子と中性子は、第一世代のクォーク(アップ・クォークとダウン・クォーク)のみで構成されている。
 しかし、核子や中間子の中には第二世代や第三世代のクォークを含むものもある。
  世代  | 名称  | 記号 | 電荷 | 質量(MeV/c²)
  第一世代  アップ    u  +2/3   3
        ダウン    d   -1/3   7
  第二世代  チャーム   c   +2/3   1,290
        ストレンジ   s   -1/3   100
  第三世代  トップ    t   +2/3    172,000
        ボトム    b   -1/3  4,190
 
●量子トンネル効果(p208)
 日常の世界では、ボールを壁に向かって投げると壁にぶつかり、跳ね返ってくる。
 ミクロの世界では、粒子の物理量は揺らいでいるため、ある確率で壁をすり抜けることができる。
 量子トンネル効果により、「無」は有限の大きさを持つ宇宙に変貌を遂げることができる。宇宙は「無」(エネルギーゼロ)から始まった。
 
●ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(p222)
 2022年に稼働。ハッブル宇宙望遠鏡の後継機。
 
(2024/3/29)NM
 
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生き物の「居場所」はどう決まるか 攻める、逃げる、生き残るためのすごい知恵
 [自然科学]

生き物の「居場所」はどう決まるか-攻める、逃げる、生き残るためのすごい知恵 (中公新書 2788)
 
大崎直太/著
出版社名:中央公論新社(中公新書 2788)
出版年月:2024年1月
ISBNコード:978-4-12-102788-7
税込価格:1,155円
頁数・縦:282p・18cm
 
 生き物がいかにして自らの「居場所」を確保するのか、生存競争のさまを、これまでに提唱された研究成果と考察を参照しながら解説。
 
【目次】
第1章 「種」とは何か
第2章 生き物の居場所ニッチ
第3章 ニッチと種間競争
第4章 競争は存在しない
第5章 天敵不在空間というニッチ
第6章 繁殖干渉という競争
終章 たどり来し道
 
【著者】
大崎 直太 (オオサキ ナオタ)
 1947年、千葉県館山市生まれ。鹿児島大学農学部卒業。名古屋大学大学院農学研究科博士課程後期課程中退。京都大学農学部助手、米国デューク大学動物学部客員助教授、京都大学大学院農学研究科講師、准教授、国際昆虫生理学生態学研究センター(ICIPE、ケニア)研究員、山形大学学術研究院教授を歴任。農学博士。専門・昆虫生態学。
 
【抜書】
●リンネの使徒(p15)
 カール・フォン・リンネ(1707-78年)は、当時の強国スウェーデン・バルト帝国の版図全域を4度に分けて探検調査旅行を実施した。海外は、オランダとその周辺のフランスやイギリスの研究者を訪れただけだった。
 しかし、17人の弟子たちを世界各地に派遣して、動物・植物・鉱物、三界の標本収集に努めた。
 その一人がカール・ツンベルク(1743-1828年)で、日本にもやって来た。スウェーデン人のツンベルクはオランダ人に成りすまし、出島のオランダ商館医師として1775年8月から1年4カ月間滞在した。『日本植物誌』(1784年)、『日本植物図譜』(1794年)などの著書がある。日本滞在中は、将軍徳川家治に拝謁し、幕府医官桂川甫周、小浜藩医中川淳庵と交わり、医学だけでなく、植物学、物理学、地理学、経済学の知識を伝えた。
 
●ラマルク(p16)
 ジャン=バティスト・ラマルク(1744-1829年)は、1793年、50歳にして植物分類学から動物分類学に転じた。フランスの国立自然史博物館にて、昆虫と蠕虫の担当になった。そして、動物を脊椎動物と無脊椎動物に分けた。動物界の分類単位の上位に「門」を置き、脊椎動物門と無脊椎動物門としたのである。
 また、『水理地質学』(1802年)では、動物と植物を一つにまとめ、「生物」という語を作った。物質というものは元素の集まりであり、動物も植物も生命を維持するために外界から元素でできている物質を得ている。それを体内で新たな物質に変えて生きている。やがて生命活動を終えれば、動物も植物も分解されて元の元素に返っていく同じ生物という存在だと考えた。だからこそ、ラマルクは、生物は常に自然に単純な構造で発生すると考えた。
 『動物哲学』(1809年)では、「用不用説」「獲得形質の遺伝説」を説いた。ダーウィン以前に説かれた最初の本格的な進化論。現在では否定されている。
 
●テルナテ論文(p46)
 1858年、ダーウィンはウォーレスから2度目の封書を受け取った。インドネシアのモルッカ諸島にある小さな火山島テルナテ島からの投稿。
 「変種が元の型から限りなく遠ざかる傾向について」という論文。マルサス『人口論』にヒントを得ていた。人間だけでなく生物一般も、生き残れる以上の子どもを残し、生存のためにわずかでも有利な変異が起こったなら、その個体はそれだけ生き残る可能性が高く、子孫を残すために、有利な形質が淘汰され進化する。
 ダーウィンはライエルとフッカーに相談し、リンネ協会の直近の会議でダーウィンの進化論の概要と「テルナテ論文」を同時に紹介することにした。その講演の紀要は、ダーウィンとウォーレスの共著という形になった。
 
●ロジスティック曲線(p51)
 環境収容力に至るまでの生物の個体数の推移を描いた曲線。ベルギー陸軍大学の数学教授ピエール=フランソワ・フェルフルスト(1804-49年)による。
 マルサス『人口論』から示唆を得る。個体数は等比級数的に増加するが、食糧は等差級数的にしか増加しない。人口と食糧は伸び率が異なっても結果的にバランスが取れるに違いない、というもの。
 曲線は、はじめは徐々に増加するが、次第に急激な増加に転じ、その後、増加が漸減して上限に達し、飽和状態になる。
 dN/dt=rN(1-N/K):ロジスティック方程式。
  N:個体数 t:時間 dN/dt:時間tにおける個体数の増加率
  r:自然増加率 K:環境収容力
 
●密度依存要因(p53)
 個体数が環境収容力(K値)に達すると、1メスあたりの産卵数が減る。
 レイモンド・パール(1879-1940年)が、キイロショウジョウバエで実験。餌量を常に一定に保つと、個体数は一定に保たれ、メスの産卵量が減った。
 
●食物網(p64)
 現在では、「食物連鎖」のことを「食物網」と言い換えている。
 
●ガウゼの競争排除則(p68)
 1934年、ゲオルギ・ガウゼ(1910-86年)が論文を発表。
 大型のゾウリムシと小型のヒメゾウリムシを混ぜて飼育する。ヒメゾウリムシは、1種で飼育したときよりもやや低い量でロジスティック曲線を描いて平衡状態に達した。ゾウリムシは、最初のうちは増殖したが、やがて減少に転じ、絶滅した。
 2種の生き物が同じニッチを利用した場合、一方の種は絶滅し、他方の種だけが生き残る。
 
●ハッチンソンの比(p74)
 ニッチの近い生物が1:3。共存可能なサイズの比。ジョージ・ハッチンソン(1903-91年)。
 ニッチの近い鳥の体長、ニッチの近い動物の頭骨の長さを測って共存の有無を調査。
 たとえば、同じ池の中で水生昆虫を食べているニッチの近い2種の魚がいたとする。もし魚の口のサイズが等しいなら、同じサイズの水生昆虫を巡って競争が生じ、共存が困難になる。口のサイズが異なると、大きさの異なる昆虫を餌とするので、競争は緩和され、共存が可能となる。
 
●マネシツグミ(p79)
 ダーウィンがガラパゴス諸島で関心を持ったのは、3種のマネシツグミだった。
 最初、3種の鳥は、形態は少しずつ異なるが、変種に過ぎないと考えた。
 イギリス帰国後、標本の調査を鳥類画家グールドに依頼。3種の鳥はきわめて近縁な同じグループの別種で、ガラパゴス諸島の固有種だと言われた。その結果をもとに『種の起源』を執筆。
 
●中規模攪乱説(p147)
 1978年、カリフォルニア大学サンタ・バーバラ校のジョセフ・コネル(1923-2020年)が「熱帯降雨林とサンゴ礁の多様性」という論文を『サイエンス』に発表。
 熱帯降雨林は、暴風、地滑り、落雷、昆虫の食害などによって樹木が折れたり枯れたりして攪乱されている。サンゴ礁は、嵐の波、陸地の洪水による淡水の流入や堆積物の流入、捕食者の群れの出現などの要因によって絶えず攪乱されている。この攪乱が中規模に続く限り、種の多様性が最大に維持される。
 攪乱が少ないと、極相林が形成される。
 
●緑の世界仮説(p159)
 1960年、ミシガン大学の3人の生態学者が提唱。
 地球は緑の植物に溢れている。植物を餌資源としている昆虫や動物などの植食者には餌資源をめぐっての競争はない。野外での研究を通して、植食者の密度は、競争が起きるような高密度にはなり得ないと主張された。
 密度を抑える最大の要因は、捕食者や捕食寄生者や病原菌など、天敵類の存在。
 
●天敵不在空間(p160)
 1984年、ジョン・ロートン(1943年~)とマイケル・ジェフェリーズが、イギリス・リンネ協会の『生物学誌』に「天敵不在空間と生態的群集の構造」という論文を発表。ロートンは、植食性昆虫に競争はないと主張した『植物を食べる昆虫』の著者の一人。
 生き物のニッチは、生き物と天敵の相互作用により、天敵からの被害を少しでも軽減できる空間、すなわち「天敵不在空間」として占められている。
 天敵不在空間は、天敵の全くいない空間を指す語ではない。天敵に囲まれていても絶滅せずに、生き延びることができるニッチのこと。
 
(2024/3/27)NM
 
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日本経済の見えない真実 低成長・低金利の「出口」はあるか
 [経済・ビジネス]

日本経済の見えない真実 低成長・低金利の「出口」はあるか
 
門間一夫/著
出版社名:日経BP
出版年月:2022年9月
ISBNコード:978-4-296-00121-7
税込価格:2,640円
頁数・縦:305p・20cm
 
 2%物価目標未達のアベノミクスは失敗だったのか? さまざまな観点からアベノミクス後の日本経済を概観する。
 日本経済の現状を整理できる。
 
【目次】
第1章 アベノミクス景気の日本経済
 金融政策の大転換
 成長率が最低の景気回復
  ほか
第2章 正しい「成長戦略」の難しさ
 日本の生産性は低いという通説
 生産性上昇率は米欧も低い
  ほか
第3章 2%物価目標と異次元緩和
 「日銀は変わった」というメッセージ
 本当は異次元ではなかった異次元緩和
  ほか
第4章 強まる金融政策の限界
 自然利子率の低下
 金利の実効下限とリバーサルレート
  ほか
第5章 重要性を増す財政の役割(日本の財政は破綻するのか
 金利が上昇する「何らかの理由」とは
  ほか
 
【著者】
門間 一夫 (モンマ カズオ) 
 みずほリサーチ&テクノロジーズ・エグゼクティブエコノミスト。1957年生まれ。1981年東京大学経済学部卒業後、日本銀行入行。1988年ペンシルバニア大学ウォートン校経営大学院MBA取得。日銀では、調査統計局長、企画局長を経て2012年5月金融政策担当理事に就任し、白川方明総裁の下で「2%物価安定目標」の採択に至る局面を担当。2013年3月から国際担当理事として、G7やG20などの国際会議で黒田東彦総裁を補佐。2016年6月から現職。
 
【抜書】
●合成の誤謬(p56)
 個々の企業は合理的な経営判断のもとに、必要でない人件費を抑制してきた。しかし、個々の企業は合理的でも、全体として「人件費抑制⇒個人消費の停滞⇒国内市場の低迷」という連鎖が働く。市場が冷え込めば、企業にとって国内の投資や人件費を抑制することがますます合理的になる。
 ミクロの合理的な判断がマクロでは国内市場の縮小スパイラルを生む、という「合成の誤謬」が働いてきた。
 
●貧富の格差(p65)
〔 逃げられないのは労働者・消費者である。経済と金融のグローバル化は、国境を容易に越えられる者とそうでない者を分け、後者に負担を寄せていく力として作用してきた可能性がある。国境を容易に越えられる企業にとっては、グローバル化によって企業価値を最大化する選択肢が広がったのであり、合法的な租税回避行動もそのひとつである。〕
 
●サービス産業の生み出す価値(p89)
〔 しかし、サービス産業が生み出す価値は、それぞれの国やライフスタイルと密接不可分である。「品質もそろえた同じ価値サービス」など、国が違えば存在しない場合が多い。米欧諸国間の比較はまだよいとしても、日本のように米欧と生活習慣が異なる国は比較が難しい。たとえば日本の温泉旅館や寿司屋の生産性を、米国の何とどう比べたらよいのだろうか。日本の医療体制はコロナ禍では様々な課題に直面したが、少なくとも平時の医療サービスが日本ほど便利な国はない。町の交番を含めた日本の治安サービスは世界に冠たる質を誇るとされる。「便利」「安全」「正確」「清潔」がもたらす価値は、生産性の国際比較には反映されにくい。〕
 
●やりきった(p156)
〔 ところが、異次元緩和の開始から数年経過した時点で、二つの重要な事実が明らかになった。それは、①「全部盛り」の異次元緩和でも2%物価目標の達成は難しい、②2%物価目標が未達でも人手不足が深刻化するほど経済は改善する、の二つである。つまり、2%物価目標は「できもしないし、要りもしない」ことが明らかになった。もし、日銀が中途半端な緩和しか行っていなければ、「もっと大胆な緩和を行っていれば2%物価目標は達成できたはずであり、それによって日本経済はもっと良くなっていたはずだ」という誤った認識が、今も残っていた可能性が高い。〕
 
●ニュメレール(p219)
 価値尺度材。相対価格の基準となる財のこと。
 現実の世界では、金利が常にゼロとなる貨幣(=現金)が基準財(ニュメレール)の役割を果たしている。
 現金をなくしてデジタル通貨に完全に置き換える時代が来たら、デジタル通貨に決して金利を付けてはいけない。どんな未来が来ても、相対価格、相対金利の基準となる絶対座標軸は、何か一つ必要である。現金が消えるのであれば、その役割を引き継ぐデジタル通貨の金利は、永遠に「ゼロ」に固定しなければならない。
 「現金をなくせば金融緩和の地平が広がる」のではなく、「現金をなくしたらデジタル通貨に金利はつけられない」のである。
 
(2024/3/22)NM
 
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細部から読みとく西洋美術 めくるめく名作鑑賞100
 [芸術]

細部から読みとく西洋美術 めくるめく名作鑑賞100
 
スージー・ホッジ/著 中山ゆかり/訳
出版社名:フィルムアート社
出版年月:2023年9月
ISBNコード:978-4-8459-2119-5
税込価格:4,180円
頁数・縦:439p・26cm
 
 西洋美術の歴史を概観し、ひととおり頭に入れておこうと思って読んでみた。しかし、なかなか絵画と画家が一致しない。こういう本は、本来は手もとにおいて時折眺めるのがいいのである。
 気になった絵と画家は……。
 ヤン・ファン・エイク「アルノルフィーニ夫妻の肖像」、1434年
 サンドロ・ボッティチェリ「春(プリマヴェーラ)」、1481-82年頃
《16世紀》
 ヒエロニムス・ボス「快楽の園」、1500-05年頃
 アルブレヒト・デューラー「東方三博士の礼拝」、1504年
 ミケランジェロ「システィーナ礼拝堂の天井画」、1508-12年
 ラファエロ「アテネの学堂」、1510-11年
 ティツィアーノ「バッカスとアリアドネ」、1520-23年頃
 ティントレット「磔刑」、1565年
 エル・グレコ「オルガス伯の埋葬」、1586-88年
《17世紀》
 カラヴァッジョ「エマオの晩餐」、1601年
 ペーテル・パウル・ルーベンス「十字架昇架」、1610-11年
 アルテミジア・ジェンティレスキ「ホロフェルネスの首を斬るユディット」、1620年頃
 レンブラント・ファン・レイン「夜警」、1642年
 ディエゴ・ベラスケス「ラス・メニーナス」、1656年
 ヤン・フェルメール「ギター弾く女」、1670-72年頃
《18世紀》
 アントワーヌ・ヴァトー「ヴェネツィアの祝宴」、1718-19年
 ジャン・オノレ・フラゴナール「音楽コンテスト」、1754-55年頃
 ジャック=ルイ・ダヴィッド「ホラティウス兄弟の誓い」、1784年
《19世紀》
 ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル「王座のナポレオン1世」、1806年
 フランシスコ・デ・ゴヤ「マドリード、1808年5月3日」、1814年
 ジョン・コンスタブル「チェーン桟橋、ブライトン」、1826-27年
 ウジェーヌ・ドラクロワ「十字軍のコンスタンティノープル占領」、1840年
 J・M・W・ターナー「雨、蒸気、速度――グレート・ウェスタン鉄道」、1844年
 ジョン・エヴェレット・ミレイ「オフィーリア」、1851-52年
 ウィリアム・ホルマン・ハント「良心の目覚め」、1853年
 ギュスターヴ・クールベ「画家のアトリエ」、1854-55年
 ジャン・フランソワ・ミレー「落ち穂拾い」、1857年
 エドゥアール・マネ「草上の昼食」、1862-63年
 クロード・モネ「秋の効果、アルジャントゥイユ」、1873年
 ピエール・オーギュスト・ルノワール「陽光の中の裸婦」、1875-76年
 ジョルジュ=ピエール・スーラ「アニエールの水浴」、1884年
 ポール・ゴーガン「説教のあとの幻影」、1888年
 フィンセント・ファン・ゴッホ「パイプが置かれた椅子」、1888年
 エドガー・ドガ「入浴後、身体を拭く女性」、1890-95年
 アンリ・ルソー「熱帯嵐の中のトラ(不意打ち!)」、1891年
 アンリ・ド・トゥルーズ=ロートレック「ムーラン・ルージュにて」、1892-95年
 エドヴァルド・ムンク「叫び」、1893年
 ポール・セザンヌ「キューピッドの石膏像のある静物」、1895年
 カミーユ・ピサロ「夜のモンマルトル大通り」、1897年
 (1900年以降、省略)
 
【目次】
 
【著者】
ホッジ,スージー (Hodge, Susie)
  美術史家、作家、アーティスト、ジャーナリスト、英国王立技芸協会フェロー。美術史、実用美術、歴史に関する100冊以上の著書がある。雑誌記事、美術館やギャラリーのウェブ用の資料も執筆しており、世界中の学校、大学、美術館、ギャラリー、企業、芸術祭、美術団体などのためにワークショップや講義を主宰・提供している。ラジオやテレビのニュース番組、ドキュメンタリー番組の常連コメンテーターであり、『インディペンデント』紙のNo.1アートライターに2度選出された。
 
中山 ゆかり (ナカヤマ ユカリ)
 翻訳家。慶應義塾大学法学部卒業。英国イースト・アングリア大学にて、美術・建築史学科大学院ディプロマを取得。
 
(2024/3/13)NM
 
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