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ふしぎな鉄道路線 「戦争」と「地形」で解きほぐす
 [歴史・地理・民俗]

ふしぎな鉄道路線: 「戦争」と「地形」で解きほぐす (NHK出版新書)
 
竹内正浩/著
出版社名:NHK出版(NHK出版新書 592)
出版年月:2019年7月
ISBNコード:978-4-14-088592-5
税込価格:1,045円
頁数・縦:302p・18cm
 
 日本の鉄道の近代史を語る。
 鉄道敷設の経路決定には、陸軍の意向が大きく影響したことが随所で述べられている。経済的な観点を無視して、防衛上の理由から、海岸線ではなく内陸を通すことに終始こだわっていた。
 しかし、日本本土が外国に攻撃されたのは太平洋戦争くらいだったので、それは杞憂に終わったと言えるだろう。ただ、今では想像できない危機意識が、当時は相当に強かったのかもしれない。
 
【目次】
第1章 西南戦争と両京幹線―なぜ中山道ではなく東海道だったか
第2章 海岸線問題と奥羽の鉄道―なぜ奥羽本線は福島から分かれているか
第3章 軍港と短距離路線―なぜ横須賀線はトンネルが多いか
第4章 陸軍用地と都心延伸―なぜ中央線は御料地を通ることができたか
第5章 日清戦争と山陽鉄道―なぜ山陽本線に急勾配の難所があるか
第6章 日露戦争と仮線路―なぜ九州の巨大駅は幻と消えたか
第7章 鉄道聯隊と演習線―なぜ新京成線は曲がりくねっているか
第8章 総力戦と鉄道構想―なぜ弾丸列車は新幹線として蘇ったか
 
【著者】
竹内 正浩 (タケウチ マサヒロ)
 1963年、愛知県生まれ。地図や近現代史をライフワークに取材・執筆を行う。
 
【抜書】
●本州縦貫(p186)
 明治34年5月27日、山陽鉄道の神戸~馬関(翌年、下関に改称)が全通し、本州の青森から下関まで直結した。
 馬関~門司間の鉄道連絡船を利用すれば、30分足らずで九州へも渡れる。
 
●電化(p276)
 太平洋戦争時の日本の鉄道の迅速な運転回復には、空襲を想定して、大都市や長大隧道を除く大半の鉄道幹線を電化しなかった施策が貢献した。
 戦前の東海道本線は、丹那隧道を抜けた沼津~京都間の400km近くが未電化区間だった。
 
(2019/10/14)KG
 
〈この本の詳細〉


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