フツーの体育教師の僕がJリーグクラブをつくってしまった話
[スポーツ]
佐伯仁史/著
出版社名:徳間書店
出版年月:2021年3月
ISBNコード:978-4-19-865251-7
税込価格:1,650円
頁数・縦:208p・19cm
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Jリーグ所属の富山カターレの設立に尽力した体育教師の自伝。
内容的には武勇伝と本人の生き方に関する記述が多く、それはそれで面白いのだが、カターレ富山や立山フットボールアカデミー、TSC(富山スポーツコミュニケーションズ)などの設立のいきさつなどについて、もう少し詳しく知りたかった。
【目次】
第1章 Jリーグクラブ誕生までの闘い
この街は変わらなければならない
Jリーグクラブはなぜ必要か
ほか
第2章 教師だからできた仕事と夢の両立
教師だから他のことができる
ド派手メイク女子高生を肯定する
ほか
第3章 無理の壁を突破してきた僕の半生
危うく死にかけた無謀なチャレンジ
ボールは正直だ
ほか
第4章 地方にこそビジネスチャンスあり!
クラブはカターレ富山になったが…
地域トップたちを前に自説を語る
ほか
【著者】
佐伯 仁史 (サエキ ヒトシ)
1964年生まれ。富山市出身。同市立星井町小~同南部中~富山県立富山東高~筑波大学体育専門学群卒。現在、富山県立雄峰高等学校教諭。体育の教鞭を執る。実業校、進学校、定時制、支援学校すべての校種を経験。教職と並行して、社会生活や教育現場におけるスポーツの重要性を研究、実践。立山フットボールアカデミー(現立山ベアーズ)を設立、そこから独立したFC富山U-18などを経て、2005年NPO法人富山スポーツコミュニケーションズを設立し、理事長に就任。富山県サッカー協会特任理事として「Jリーグスタディグループ」を設置し、県民クラブ(そのまま「カターレ富山」に)を創設した。JFA(日本サッカー協会)公認B級コーチ、JFAスポーツマネジャーズカレッジサテライト講座インストラクター。
【抜書】
●左車線
富山県民の保守的な特徴。
〔 ここで少し、富山の県民性に触れておきたい。まえがき部分にも記したが、他県のドライバーが富山県内を車で走行していたら、妙な光景に出くわすと思う。2車線、3車線道路を走行する際、地元のドライバーは左車線、いわゆる走行車線をもっぱら使う。左車線が渋滞中になった場合、なぜか右車線、いわゆる追い越し車線は空くことになる。車線変更すればいいのに、渋滞の走行車線から動こうともしない。
何か新たなことを他に先んじて行うことが不得手なのだ。他人が右車線に動き出してうまくいくのを見て、安心して自分たちも動き出す。そんな保守的な県民性だ。僕自身は慎重である一方で、自ら突破口を開くところもある。いわば「心の車線変更」、これはサッカーのFWで培ったものだと思う。〕
●ダメな奴
〔 ダメな奴ほど与える影響は大きい。ゆえにいい集団、組織にしたければ、ダメな奴ほど大切に育てなくてはいけないのである。〕
●スポーツ
〔 「相手」「ルール」「審判」があれば、それはスポーツ。
これは遊びにも共通する条件だ。トランプ、囲碁、将棋、麻雀も、その理屈で考えれば立派なスポーツといえるし、激しい身体活動を必ずしも伴わないものなのだと思う。〕
(2022/11/22)EB
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