SSブログ

デオナール アジア最大最古のごみ山 くず拾いたちの愛と哀しみの物語
 [社会・政治・時事]

デオナール アジア最大最古のごみ山――くず拾いたちの愛と哀しみの物語
 
ソーミャ・ロイ/著 山田美明/訳
出版社名:柏書房
出版年月:2023年9月
ISBNコード 978-4-7601-5530-9
税込価格:2,860円
頁数・縦:372, 10p・19cm
 
 120年前から存在する、インドの大都市ムンバイのゴミ集積所、デオナール。ゴミ山の面積は1.32㎢、高さは36mにも達するという(p.22)。
 8年におよぶ取材と交流をもとに、ゴミ山で生活の糧を得て暮らす「くず拾い」の人びとの生活を、10代の少女ファルザーナー・アリ・シェイクとその家族を中心に活写する。並行して、遅々として進まない行政の対応についても描く。
 
【目次】
ファルザーナー
最初の住民
子どもたち
管理不能
ギャング
不運
火災
裁判
立入禁止
シャイターン
十八歳
闇ビジネス
理想
惨事
ナディーム
約束
カネ
選挙
〔ほか〕
 
【著者】
ロイ,ソーミャ (Roy, Saumya)
 ムンバイを拠点とするジャーナリストで活動家。2010年、ムンバイの最も貧しい零細企業家の生活を支援するヴァンダナ財団を共同設立し、デオナールに依存するコミュニティに出会う。『フォーブス・インディア』『ウォール・ストリート・ジャーナル』『ブルームバーグ』などに寄稿。アジア最大のスラム街に関するエッセイ集Dharavi: The Cities Within(harperCollins, 2013)にも原稿を寄せている。
 
山田 美明 (ヤマダ ヨシアキ)
 英語・フランス語翻訳家。
 
【抜書】
●愛(p242)
 〔手術を続けるため、ジャハーンギールは自分の貯金にも手をつけた。自分のごみビジネス、自分の縄張りでの稼ぎ、ジャーヴェード・クレーシーの仕事などで数年にわたり少しずつ貯めたお金である。それでもお金が足りなくなると、路地での成功の証でもあるモーターバイクを売った。あっという間に生活は苦しくなったが、ファルザーナーのことしか考えられなかった。これは、私がごみ山の周囲の路地を歩くようになって以来、何度も目にしてきた光景である。ごみ山の麓では、ごみが提供する気まぐれな幸運以外に頼るものが何もないなか、愛だけは強烈な輝きを放っていた。くず拾いたちの不安定な生活のなかでも、愛だけはほぼ不変だった。〕
 ジャハーンギール……ファルザーナーの長兄。
 
(2023/11/13)NM
 
〈この本の詳細〉


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。