ネコはここまで考えている 動物心理学から読み解く心の進化
[自然科学]
髙木佐保/著
出版社名:慶應義塾大学出版会
出版年月:2022年9月
ISBNコード:978-4-7664-2843-8
税込価格:2,200円
頁数・縦:116, 60p・20cm
■
さまざまな動物心理学的実験を通して、猫の知性について分析する。
【目次】
第1章 動物はどのように考えるのか
考えるのに言葉はいらない
動物の思考研究3つの推論能力
ほか
第2章 ネコはどこまで物理法則を理解しているのか
動物はどのように“物理的に考える”のか
ネコは本当に物理的な推論が苦手なのか
ほか
第3章 ネコは“声”から“顔”を思い浮かべるのか
ヒトと動物のクロスモーダルな推論能力
ネコは“声”からあなたの“顔”を思い浮かべるのか
ほか
第4章 ネコは“どこに”“何が”を思い出せるのか
動物はどのように記憶するのか
動物の“記憶”を探る方法
ほか
終章 ネコの思考能力はどのように進化したのか
ネコ研究の最前線
ネコの思考能力はなぜ進化したのか
ほか
【著者】髙木 佐保 (タカギ サホ)
ネコ心理学者。日本学術振興会特別研究員(RPD)、麻布大学特別研究員。1991年生。2013年同志社大学心理学部卒業。2018年京都大学大学院文学研究科行動文化学専攻心理学専修博士課程修了。博士(文学)。本書の一部を成す業績により2017年度京都大学総長賞を受賞。
【抜書】
●物体の永続性(p44)
目前にない物体の表象を持ち続けること。言葉を持たない動物の心を解き明かすうえで、重要な指標になる。
ヒトは、生後4か月から8か月頃に、物体の永続性の能力が芽生える。
物体の永続性は、いくつかの段階に分かれて発達するが、最終段階では、「見えないところで物体が移動したこと(invisible displacement)」を理解できるようになる。ヒトでは、生後18か月から24か月頃。
●ネオフィリア(p102)
新しいことに興味を示すこと。
家畜化によって現れる行動特性の変化の一つ。動物が家畜化され、食べ物や住居の安定した供給が保証されることで、生存に必要な情報以外に注意を向ける“余裕”が生まれたこと、成体になっても飼い主に甘えるといった子供のような性質を持ち続けること、などと関連する。
(2023/12/14)NM
〈この本の詳細〉
コメント 0