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コレモ日本語アルカ? 異人のことばが生まれるとき
 [言語・語学]

コレモ日本語アルカ? 異人のことばが生まれるとき (岩波現代文庫 学術467)
 
金水敏/著
出版社名:岩波書店(岩波現代文庫 学術 467)
出版年月:2023年6月
ISBNコード:978-4-00-600467-5
税込価格:1,452円
頁数・縦:253, 24p・15cm
 
 中国人に仮託された役割語である「アルヨことば」。現実には存在しない言い回しだが、なぜか中国人特有の話し方として定着し、文学、マンガ、ドラマなど、さまざまな場面で使用されている。
 本書は、そんな「アルヨことば」の出自と展開について論じる。歴史的には、横浜ことば、アルヨことば、満洲ピジン、鬼子〈グイズ〉ピジンの順に出現し、現在まで至っている。
 
【目次】
序章 “アルヨことば”にまつわる疑問
第1章 宮沢賢治は「支那人」を見たか
第2章 横浜ことばとその時代
第3章 “アルヨことば”の完成
第4章 満洲ピジンをめぐって
第5章 戦後の“アルヨことば”
終章 「鬼子」たちのことば
 
【著者】
金水 敏 (キンスイ サトシ)
 放送大学大阪学習センター所長、大阪大学名誉教授。1956年4月大阪生まれ。1982年東京大学大学院人文科学研究科博士課程退学。大阪女子大学助教授、神戸大学助教授、大阪大学教授を経て、2022年より現職。日本語文法の歴史的変化と役割語(言語のステレオタイプ)を研究している。日本学士院会員。著書に『日本語存在表現の歴史』(ひつじ書房、新村出賞受賞)ほか。
 
【抜書】
●「ある」語法、「よろしい」語法(p3)
 「ある」語法……文末に「ある」が付いて断定を表す。
 「よろしい」語法……文末に「よろし(い)」が付いて命令ないし勧誘を表す。
 
●「あります」語法(p39)
 ~あります、~ありますか、~ありません。
 横浜ことば。幕末の横浜開港直後、横浜でうまれたピジン。横浜に滞留した西洋人、その召し使いとして連れてこられた中国人などが使った。
 
●チャイナ少女(p173)
 1980年以降、マンガやアニメの世界で、「アルヨことば」の話者として美少女キャラクターが付け加えられた。
 その起源は、キョンシー映画「幽玄道士」の中で活躍するテンテンという美少女。そのイメージが日本のオタク文化にも強く影響した。
 
(2023/12/11)NM
 
〈この本の詳細〉


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