SSブログ

アルキメデスの驚異の発想法 数学と軍事
 [歴史・地理・民俗]

アルキメデスの驚異の発想法 数学と軍事 (インターナショナル新書)
 
上垣渉/著
出版社名:集英社インターナショナル(インターナショナル新書 077)
出版年月:2021年8月
ISBNコード:978-4-7976-8077-5
税込価格:946円
頁数・縦:237p・18cm
 
 アルキメデスの数学的・軍事的功績を解説。
 
【目次】
プロローグ なぜ、今、アルキメデスなのか?―現代の課題を先取りしたアルキメデス
第1章 その男の名は「アルキメデス」―アルキメデスの生きた時代とは?
第2章 アルキメデスは何を発見したのか?―アルキメデスの反ギリシア的思考法
第3章 究極の「軍事兵器」―アルキメデスの数学・物理学の知識がローマを苦しめた!
第4章 究極の「数学兵器」―アルキメデスの「直観、発想」の原点に迫る!
第5章 アルキメデスが最後に解こうとしたもの―スーパー数学兵器は何であったか?
 
【著者】
上垣 渉 (ウエガキ ワタル)
 三重大学名誉教授、全国珠算教育連盟学術顧問。1948年、兵庫県生まれ。神戸大学教育学部数学科を卒業し、東京学芸大学大学院修士課程を修了。
 
【抜書】
●三大数学者(p16)
 アルキメデス(BC287頃-BC212)
 ニュートン(1642-1727)
 ガウス(1777-1856)
 
●天秤(p66)
 アルキメデスは、ヒエロン2世(シラクサの支配者)からの難題(王冠が純金製かどうか調べる)に対して、天秤を使って解決したのではないか? 著者の推理。
 単に水槽で体積を測るだけでは、王冠の体積が小さすぎ、表面張力もあってその差が分かりづらい。
 水槽の中に天秤で吊るせば、受ける浮力の違いによる差が出やすい。
 
●パリンプセスト(p72)
 羊皮紙が使われていた時代、羊皮紙は貴重品であった。そこで、真新しい羊皮紙を使わず、既に書かれた文字を消して「再利用」していた。これをパリンプセスト(palimpsest)という。
 palin=再び、psestos=こすられた。ギリシャ語。
 
●アルキメデスの三つの軍事兵器(p110)
 アルキメデスの鉤爪……敵の船を転覆させるクレーン。
 アルキメデスの投石機……遠距離用の「カタパルト」と、近距離用で小型化・携帯もできる「スコルピオン」。80㎏の石を発射できた?
 アルキメデスの熱光線……巨大な鏡で太陽光を反射させた。
 
●シュラコシア号(p142)
 古代ギリシャ・ローマ時代を通じて最大の巨船。ヒエロン2世がアルキメデスに建造を命じた巨大豪華船。
 搭乗員600人以上、船内には競技施設、庭園、神殿まで備えていた。
 ギリシャ語散文作家アテナイオス(2世紀後半~3世紀)による。
 
●アルキメディアン・スクリュー(p146)
 アルキメデスが考案した排水ポンプ。シュラコシア号の排水にも利用された。
 日本でも、江戸時代前期の寛永17年(1640年)頃の佐渡金山で構内排水(揚水)に使われた。水上輪、龍尾車とも呼ばれた。
 
(2022/10/20)NM
 
〈この本の詳細〉

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ: