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昆虫は美味い!
 [食・料理]

昆虫は美味い! (新潮新書)  
内山昭一/著
出版社名:新潮社(新潮新書 798)
出版年月:2019年1月
ISBNコード:978-4-10-610798-6
税込価格:821円
頁数・縦:214p・18cm
 
 
 昆虫食が地球を救う!
 動物食に比べていかに昆虫食が優れているかを説きつつ、実際にどんな昆虫がどこで、どのように食べられているかを紹介する。
 
【目次】
第1部 昆虫を味わう
 東京郊外でザザムシを喰らう
 カイコは味も糸を引く
 フタホシコオロギ味比べ
 クツワムシの鳴き声はうるさいが、味は優しい
 ウナギ不足はハチの子で解決
  ほか
第2部 古今東西、そして未来の昆虫食
 人類発祥とともにあった昆虫食文化
 世界では二〇〇〇種類近くの昆虫が食べられている
 今なぜ昆虫食が注目されているのか
 昆虫食の明日
 
【著者】
内山 昭一 (ウチヤマ ショウイチ)
 1950(昭和25)年、長野県生まれ。昆虫料理研究家、昆虫料理研究会代表。NPO法人食用昆虫科学研究会理事。
 
【抜書】
●ゴトウムシ(p48)
 シロスジカミキリの幼虫(あるいはカミキリムシ全般の幼虫)。信州の言い方。
 成虫の食べ方。頭をひねってちぎり、中身が出ないように胴体を囲炉裏の熱い灰にさらす。クツクツと煮えて香ばしい匂いがしてきたら、灰から取り出し、背中の硬い翅をむしり取り、サジ代わりにしてドロドロのクリーム状の中身をすくって食べる。
 漫画『本多勝一のこんなものを食べてきた!』による。本多は、長野県出身。
 
●虫糞茶(p87)
 中国の一部の地域では、中国茶の一種として虫糞茶が飲まれている。
 ヤガ科とメイガ科の蛾の幼虫にコナシや茶などの葉を食べさせてつくる。
 サクラケムシは、桜の香りがして美味。茹でても炒っても良い。
 また、虫糞茶にして香りを楽しむのも良い。捕まえたサクラケムシをしばらく飼育し、糞を集めて乾燥させて作る。お茶パックに入れおけば、淹れるときに糞が散らばらない。桜茶のような味で、葉っぱの青臭さがなく、上品な香りがする。
 
●マンナ(p157)
 カイガラムシが排泄する甘露。
 シナイ半島の砂漠地帯で、薄茶色で、風で飛ぶほど軽く、豆粒くらいの大きさになる甘い物質が岩の表面についていることがある。これが「マンナ」。
 タマリスクにつくタマカイガラムシのマンナが有名。
 旧約聖書に出てくる「manna」と同じものだと言われている。
 森永のビスケット「マンナ」の名前の由来。
 
●メスカル(p164)
 メキシコの酒。リュウゼツランの花柄を開花直前に根際で切り、葉を除去した後の球状の茎を焼き、細かく切って汁を絞り、発酵させ、2回蒸留して作る。テキーラもメスカルの一種。
 瓶の中に、リュウゼツランにつくボクトウガの幼虫を1匹ずつ入れる。
 香りや味を抽出するためではない。アルコール濃度の指標。幼虫がしっかりした形を保っていれば、アルコール度数は十分高い。
 
●FAO(p169)
 2013年5月、国連食糧農業機関(FAO)の報告書「食用昆虫――食料と飼料の安全保障に向けた将来の展望」(Edible insects: Future prospects for food and feed security)。持続可能な食料として、家畜に比べた昆虫の環境的優位性を強調。
 (1) 飼育変換効率がよい……肉1kg増やすのに、牛は10kgの餌が必要。コオロギは2kgで済む。基礎代謝率では、恒温動物は変温動物の30倍のエネルギーを使う。
 (2) 昆虫は可食部分が大きい……牛の可食部分は40%。コオロギは脚と外骨格部分を除いた体重の80%。
 (3) 温室効果ガスの放出量が少ない……温室効果ガスの発生源は主に反芻動物の腸内発酵や糞尿。昆虫は、河川や海の富栄養化と土壌の酸化を引き起こすアンモニアの放出も極めて少ない。
 (4) 有機廃棄物で飼育できる。
 (5) 人間の食べ物と重ならない。
 (6) 高栄養食品……タンパク質は家畜と同等で60%。必須アミノ酸のバランスも良い。脂肪は、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸など、不飽和脂肪酸を多く含む。ビタミンは、チアミン、リボフラビン、ビオチンなどB群が豊富。ミネラルは、マグネシウム、カルシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、リンなど。
 
(2019/4/6)KG
 
〈この本の詳細〉


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