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だから古典は面白い
 [文芸]

だから古典は面白い (幻冬舎新書)
 
野口悠紀雄/著
出版社名:幻冬舎(幻冬舎新書 の-3-1)
出版年月:2020年3月
ISBNコード:978-4-344-98587-2
税込価格:924円
頁数・縦:281p・18cm
 
 野口悠紀雄推奨の古典文学作品を紹介する書評エッセー。聖書からSF作品まで、古典の魅力とともに著者の読書遍歴が語られる。
 
【目次】
第1章 ドラッカーを読むより聖書を読もう
第2章 ビジネス書を読むより『戦争と平和』を読もう
第3章 ノウハウ書を読むより『マクベス』を読もう
第4章 アンチエイジングでなく『ファウスト』を読もう
第5章 アンナ・カレーニナの世界
第6章 奇跡をめぐる聖書の秘密
第7章 歴史ほど面白い物語はない
第8章 現実にはありえない世界で遊ぶ
第9章 だから古典はためになる
 
【著者】
野口 悠紀雄 (ノグチ ユキオ)
 1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省。72年エール大学のPh.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2017年9より早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問。一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。著書に『情報の経済理論』(東洋経済新報社、日経・経済図書文化賞)、『財政危機の構造』(東洋経済新報社、サントリー学芸賞)、『バブルの経済学』(日本経済新聞社、吉野作造賞)などがある。
 
【抜書】
●悲劇(p127)
〔 シェイクスピアの悲劇もそうですが、避けようと思っても避けられないから悲劇になるのです(避けられるにもかかわらず惨状に陥ることは、「喜劇」と言います)。
 
●オウムアムア(p213)
 2017年の秋、謎の物体が地球に近づいてくるのをハワイ大学の研究者が発見した。
 長さは約400m、直径が160m前後の細長く先細りの形。まるでミサイルのようだった。
 こと座のヴェガの方向から秒速26.4kmで太陽系に接近し、9月9日に太陽近くを通過するときには秒速87.3kmまで加速した。地球には、10月14日に最接近した。約2,400万km。
 太陽系の軌道に乗るには速すぎた。未知の恒星系から放たれ、太陽系を通過している天体だと結論付けれらた。数億年間にわたって宇宙を飛行していたと考えられる。
 最初、1I/2017 U1と名付けられたが、その後、ハワイ語で「斥候」「遠くからの来訪者」を意味する「オウムアムア('Oumuamua)という愛称が付けられた。
 彗星は、太陽の近くを通過するとき、熱せられて表面が活性化し、尾を引く。しかし、オウムアムアは尾を引かなかったので、彗星より硬い物質でできていると考えられる。
 
【ツッコミ処】
・60年代のポップス(p260)
〔60年代のポピュラー・ミュージックは60年代に縛り付けられていて、そこから抜け出すことができません。だから、「古くなった」と感じるのです。しかし、モーツァルトやベートーヴェンの音楽は時代を超越しています。〕
  ↓
 60年代ポップスは、(著者にとって)その時代を生きていた記憶があるから、今となっては古く感じる。しかし、古典は、時代の記憶、実体験の記憶と結びついていない。だから、客観的に判断できる、ということではないのだろうか。
 60年代のポピュラー・ミュージックの中にも、将来はモーツァルトやベートーヴェンと同列に、古典として扱われる曲が出てくるかもしれない。
 
(2020/8/29)KG
 
〈この本の詳細〉


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