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古代史講義 邪馬台国から平安時代まで
 [歴史・地理・民俗]

古代史講義 ──邪馬台国から平安時代まで (ちくま新書)
 
佐藤信/編
出版社名:筑摩書房(ちくま新書 1300)
出版年月:2018年1月
ISBNコード:978-4-480-07117-0
税込価格:968円
頁数・縦:286p・18cm
 
 最新の研究成果を取り入れ、15人の研究者が最前線の古代史を語る。
 
【目次】
第1章 邪馬台国から古墳の時代へ……吉松大志
第2章 倭の大王と地方豪族……須原祥二
第3章 蘇我氏とヤマト王権……鈴木正信
第4章 飛鳥・藤原の時代と東アジア……中村順昭
第5章 平城京の実像……馬場基
第6章 奈良時代の争乱……佐々田悠
第7章 地方官衙と地方豪族……佐藤信
第8章 遣唐使と天平文化……飯田剛彦
第9章 平安遷都と対蝦夷戦争……吉野武
第10章 平安京の成熟と都市王権の展開……仁藤智子
第11章 摂関政治の実像……榎本淳一
第12章 国風文化と唐物の世界……河内春人
第13章 受領と地方社会……三谷芳幸
第14章 平将門・藤原純友の乱の再検討……宮瀧交二
第15章 平泉と奥州藤原氏……大平聡
 
【著者】
佐藤 信 (サトウ マコト)
 1952年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授。専門は日本古代史。実証的な史料批判の上に、遺跡や出土文字資料など幅広い歴史資料を活用した古代史研究を展開している。著書多数。
 
【抜書】
●5%(p150、飯田)
 薬物を除けば、正倉院宝物約9,000点のうち、海外からの舶載品は5%にも満たない。
 
●格、式(p186、仁藤)
 格(きゃく)……刑法にあたる律や行政法である令の補足・改訂法。
 式(しき)……格の施行細則。
 「弘仁格・式」「貞観格・式」「延喜格・式」などが編纂された。しかし、「延喜式」以外の式は現存しない。
 格は、9世紀末に菅原道真らがジャンル別に編纂した「類聚三大格」が残っている。
 
●清和天皇(p192、仁藤)
 文徳天皇が若くして逝去し、わずか8歳の清和が即位した。日本史上初めての幼帝。
 
●臙脂、蘇芳(p225、河内)
 平安時代中期、国風文化の時代にも、日本で取れない染料は、海商の取引に頼るしかなかった。
 臙脂(えんじ)……カイガラムシの粉末。
 蘇芳(すおう)……熱帯性樹木の蘇芳から染める。
 
●三国(p229、河内)
 平安中期以降、中国文化との対比の中で、「本朝」が意識されるようになった。
 仏教的な価値観と結びつくことによって、中世の「三国」意識へとつながる。天竺(インド)、震旦(中国)、本朝という構成をとる『今昔物語集』がその代表例。
 こうした世界認識において、朝鮮が脱落していった。朝鮮半島を世界の構成要素として捉える視座を失っていった。
 
●経済(p248、三谷)
〔 「神話」の八世紀から、「道徳」の九世紀をへて、「経済」の十世紀へ。こうした時代の原理の大きな転換のうえに、受領を主役とする契約の世界が成立する。それは、日本古代における「文明化」のひとつの帰結といえるだろう。〕
 
(2020/9/11)KG
 
〈この本の詳細〉


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