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オンライン授業で大学が変わる コロナ禍で生まれた「教育」インフレーション
 [教育・学参]

オンライン授業で大学が変わる~コロナ禍で生まれた「教育」インフレーション~
 
堀和世/著
出版社名:大空出版
出版年月:2021年3月
ISBNコード:978-4-903175-99-7
税込価格:1,320円
頁数・縦:228p・19cm
 
 2020年、新型コロナ・ウィルス感染症のために、ほとんどの大学が閉鎖され、オンライン授業を余儀なくされた。この状況で様々な議論がなされたが、その経緯と問題点、今後の課題などを、関係者への取材やインタビューによって浮き彫りにする。
 本書で繰り返し出てくるのが、学費返還問題と、オンライン授業による「課題地獄」、オンライン授業と対面授業の長所短所、である。キャンパス施設が利用できない大学教育に、正規の学費を払う必要があるのか。教室での試験ができず、評価のための課題提出がてんこ盛りになって学生たちが疲弊している。教員や仲間の学生たちと直接に触れ合うことのできないオンライン授業に意味はあるのか……。そして、議論は「大学とは何か」にまで行きつく。
 世界に目を向けると、オンラインのみで授業を行うミネルバ大学に優秀な学生が各国から集まっているという。この大学の特徴の一つは、世界の七つの都市に学生寮を造ったことだ。授業がオンラインになっても、学生同士の交流を絶やしてはいけない、という理念があるのだろう。上に挙げた問題点の解決策の一つの例になるかもしれない。
 今回の新型コロナ禍が、日本の大学教育の改革に結びつくのなら不幸中の幸いである。
 
【目次】
第1章 降って湧いた「オンライン授業」―大学で何が起こったのか
 ある大学教授のリアルな声
 「ハイブリッド授業」への進化
第2章 走りながら考え、教えながら悩んだ―大学教員から見た「オンライン授業」
 オンラインと「現場」を結びつける
 教室という枠から「学び」を解放する
 「オンライン」で「対面」は代替できるのか
第3章 「教室」が消えた!―学生たちは「大学」に何を求めているのか
 一度も通えない!新入生親子のリアル
 学生の学生による学生のためのオンライン
第4章 コロナ以前の大学にはもう戻れない―オンライン授業の未来
 オンライン授業で日本は「国際化」できるのか?
 変わるべきか、変わらざるべきか 次なる形を探し続ける大学
 学生の「声」に一喜一憂?評価される大学、されない大学
 オンライン化だけは考えが古い大学で「教えるべきもの」を考える
第5章 ロングインタビュー・大学はもう一度死ぬのか?―吉見俊哉・東京大学大学院情報学環教授
 大学に「二度目の死」はあるのか、ないのか
 中世ヨーロッパ史から「オンライン化」を眺める
 デジタル化がもたらす「新しい大学」の形
 間違いだらけ!オンライン化の「メリット、デメリット」
 「グローバル化」と「オンライン化」が織りなす世界
 
【著者】
堀 和世 (ホリ カズヨ)
 1964年、鳥取県生まれ。東京大学教育学部卒業。1989年、毎日新聞社に入社。ほぼ一貫して週刊誌『サンデー毎日』に在籍し、取材、記事執筆、編集業務に携わる。2020年に退職してフリー。
 
(2021/4/7)KG
 
〈この本の詳細〉

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