私は組長の息子でした
[文芸]
若井凡人/著
出版社名:彩図社
出版年月:2020年12月
ISBNコード:978-4-8013-0477-2
税込価格:730円
頁数・縦:189p・15cm
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西日本某所の暴力団の組長の息子が綴る、父親やヤクザに関する回想録。
その筆致には、父親に対する尊敬、そして同世代の組員に対する親近感が伝わってくる。ヤクザだって普通の人間なんだ、という感覚なのだろう。本人は、親の希望もあり跡を継がず、東京の大学に進学して堅気の仕事に就く。しかしながら傍目からは組の後継者とみなされ、何度か危険な目にあったり、東京では刑事の尾行にあったりする。その点に関する描写は淡々としており、さすがに「一般人」とは異なる肝の太さを感じさせる。親からの遺伝なのか、それとも幼いころからヤクザ社会と接していたために日常的なこととして捉えているからなのか。
【目次】
第1章 私の生い立ちについて
一度はカタギになった父
法廷で見た父の姿
ほか
第2章 子どもの頃の思い出
組長の息子になって生活が激変
大卒新人の年収レベルのお年玉
ほか
第3章 思春期の思い出
中学校で感じた“色眼鏡”
組長の息子はカッコいい?
ほか
第4章 ヤクザ社会のリアル
ヤクザの収入源
組長の趣味とこだわり
ほか
第5章 上京から現在に至るまで
跡目を継ぐか、カタギでいるか
猛勉強のすえに大学に合格
ほか
【著者】
若井 凡人(ワカイ ボンド)
1960年代後半生まれ。西日本某所で、ヤクザの組長の息子として育った。高校を卒業後、進学のために上京し、以後、関東在住。様々な職を経験したのち、現在は平凡な会社員生活を送っている。
(2021/11/27)NM
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