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悪党たちの中華帝国
 [歴史・地理・民俗]

悪党たちの中華帝国(新潮選書)
 
岡本隆司/著
出版社名:新潮社(新潮選書)
出版年月:2022年8月
ISBNコード:978-4-10-603888-4
税込価格:1,870円
頁数・縦:351p・20cm
 
 中華帝国に燦然と輝く(?)悪党12傑を俎上に載せ、隋唐から近代までの中国の歴史を通観する。
 中国と言えば儒教に縛られた体制と考えがちだが、李卓吾は南京で『蔵書』を刊行した。孔子を儒教の集大成とみなすのではなく、改革者と捉える異端の書だというのだが、そんな書を公刊できる自由な文化・風潮が明の時代にはあった。もっともそのせいで卓吾は迫害を受けるのであるが。それにしても「李卓吾の信奉者は、実に少なくなかった」(p.273)のである。
 
【目次】
はじめに―「中華帝国」と「悪党たち」
第1章 「中華帝国」のあけぼの―大唐帝国……唐の太宗、安禄山
第2章 カオスの帝国―五代……馮道、後周の世宗(柴栄)
第3章 最強の最小帝国―宋……王安石、朱子
第4章 再生した帝国・変貌する帝国―明……永楽帝、万暦帝
第5章 挫折する近代―明……王陽明、李卓吾
第6章 甦る近代の変革―清末民国……康有為、梁啓超
おわりに―あらためて「中華帝国」と「悪党たち」
 
【著者】
岡本 隆司 (オカモト タカシ)
 1965年、京都市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。宮崎大学助教授を経て、京都府立大学教授。専攻は東洋史・近代アジア史。著書に『近代中国と海関』(大平正芳記念賞受賞)、『属国と自主のあいだ』(サントリー学芸賞受賞)、『中国の誕生』(樫山純三賞、アジア・太平洋賞特別賞受賞)など多数。
 
(2023/6/13)NM
 
〈この本の詳細〉


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文豪、社長になる
 [文芸]

文豪、社長になる (文春e-book)
 
門井慶喜/著
出版社名:文藝春秋
出版年月:2023年3月
ISBNコード:978-4-16-391667-5
税込価格:1,980円
頁数・縦:349p・20cm
 
 文豪にして文芸春秋社社長であった菊池寛の半生記、史実に基づくフィクション。
 菊池寛と言えば芥川賞および直木賞の創設者、『文藝春秋』の創刊者という事績、文壇への貢献が大きく感じられらるが、流行作家としても生涯作品を書き続けていたんだということを改めて知った。読んだことないものなぁ。
 『オール讀物』2021年9月号~2023年1月号に断続的に発表されたものを1冊にまとめたようである。
 
【目次】
寛〈ひろし〉と寛〈かん〉
貧乏神
会社のカネ
ペン部隊
文藝春秋
 
【著者】
門井 慶喜 (カドイ ヨシノブ)
 1971年群馬県生まれ。同志社大学文学部卒業。2003年、オール讀物推理小説新人賞を「キッドナッパーズ」で受賞しデビュー。16年に『マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代』で日本推理作家協会賞(評論その他の部門)、同年咲くやこの花賞(文芸その他部門)を受賞。18年に『銀河鉄道の父』で直木賞を受賞。
 
(2023/6/13)NM
 
〈この本の詳細〉

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