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NPOという生き方
 [社会・政治・時事]

NPOという生き方.jpg
島田 恒著
税込価格 : \756 (本体 : \720)
出版 : PHP研究所
サイズ : 新書 / 214p
ISBN : 4-569-64074-5
発行年月 : 2005.3

第三の生き方、NPO
「NPOは、ミッションに始まりミッションに終わる」。ミッションこそが、NPOの最大の存在価値である。

そもそも、NPOとは何か? それは、「民間によって自主管理され、利益配分することなく、独自のミッションのために機能している組織」のことだと著者は言う。企業と異なり、利益追求のための組織でないことも必要条件だが、さらに重要なことは、「独自のミッション」を持っていることだ。さらに、組織の目的、使命=ミッションを確立し、ミッションを遂行するためのマネジメントと、ミッションを達成するためのマーケティングが必要であると、著者は説くのである。組織として機能するためのNPO独自のマネジメントと、事業領域を定め、クライアントのニーズに応えながらミッションを実現していくためのマーケティングである。ミッションと同時に、組織としてNPOが機能し、存続していくためには、マネジメントとマーケティングも重要な視点である。

そもそも、NPOの起源は、1844年、ジョージ・ウィリアムズがYMCAを組織したことに求めれらるらしい。YMCAは、宗教的、道徳的信念をもって奉仕活動や生活改善に取り組むための集団としてスタートした。産業革命下の都市社会ロンドンにて過酷な条件で働く労働者階級の青年たちに向けて、人間的な絆のある農村的な共同体、市民によるコミュニティを構築しようとした。

このような歴史をもつNPOの活動領域は、政府・自治体が提供する公共財の場ではなく、企業が供給する私的財の場でもない、準公共財と言われる第三の領域となる。税金によって賄われる政府・自治体の活動は一律・公平が原則となり、多様なニーズに応えるには限界がある。企業活動の原則は経済的利益の追求であり、市場価値の少ない分野にはなかなか手が出せない。その両者の穴を埋めるのが準公共財という領域で、具体的には、医療、福祉、教育、芸術といった分野だ。

また、我々にとって、経済的糧を得る仕事(公)と、生活を安定させてくれる家庭(私)以外に、生きがいを求める場としてのコミュニティ(共)が、生活を豊かなものにする。そういった意味でも、NPOは「第三の生き方」なのである。
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(05/6/13)【蔵】

<この本の詳細>
http://www.bk1.co.jp/product/2523728
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