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種を語ること、定義すること 種問題の科学哲学
 [哲学・心理・宗教]

種を語ること、定義すること: 種問題の科学哲学
 
網谷祐一/著
出版社名:勁草書房
出版年月:2020年12月
ISBNコード:978-4-326-10288-4
税込価格:3,520円
頁数・縦:238, 15p・22㎝
 
 生物学者たちは、「種」について厳密な定義をせずに「種」という用語を使用し、それでいて大きな混乱もなくコミュニケーションを成立させている。その状況を哲学的に考察する。
 「種」の分化というのは、大きな時間のスパンで考えれば現在進行中の現象である。どう定義するにしても、分化中の種と種の境界にある個体は常に存在することになる。
 また、生殖可能性で定義したとしても、実験でうまく証明できない場合もある。遺伝子で定義しても、何パーセント一致すれば同一の種としてみとめるのか、厳密には決められないだろう。
 難しい問題である。
 
【目次】
第1章 種問題とは何か
 形態学的(分類学的)種概念
 生物学的種概念
  ほか
第2章 合意なきコミュニケーション
 三つのケーススタディ
 二論争物語―プライオリティの問題と同所的種分化の問題
  ほか
第3章 「よい種」とは何か
 二重過程説とは何か
 生物学者は種についてどう語るのか
  ほか
第4章 「投げ捨てられることもあるはしご」としての種
 一般種概念の構成要素を明らかにする
 一般種概念と個々の種の定義の関係―精緻化
  ほか
 
【著者】
網谷 祐一 (アミタニ ユウイチ)
 1972年生まれ。2007年3月京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。哲学博士(Ph.D.)ブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ)より取得。米ピッツバーグ大学(ポスト・ドクトラル・フェロー)、京都大学文学研究科(研究員)、東京農業大学生物産業学部准教授を経て、2019年4月より会津大学コンピュータ理工学部上級准教授。
 
(2022/1/17)NM
 
〈この本の詳細〉


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