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民主主義の経済学 社会変革のための思考法
 [経済・ビジネス]

民主主義の経済学 社会変革のための思考法
 
北村周平/著
出版社名:日経BP
出版年月:2022年12月
ISBNコード:978-4-296-00134-7
税込価格:2,640円
頁数・縦:356p・20cm
 
 「新しい政治経済学の助けを借りて、民主主義の仕組みについての理解を深め」(p.11)るために書かれた書……とのことであるが、どうであろうか。
 経済学が得意とする「合理的に行動する個人」というテーゼに基づいて政治を理解しようという試みなのであろうが、まず、そういう観点から政治を分析しても成功しないだろう。机上の空論になるだけだ。理想的な世界を描写しよういう意図は分かるが、政治において、何のためにそんな世界を描く必要があるのだろう。
 また、数式を多用しているが、実体のない数式に意味があるのか? そもそもxにもyにも、代入できる実体がないし、解となる数字も出てこない。数式で物事を複雑にしておきながら、言いたいことはごく常識的な内容だったりもする。そこんところは、数式を衒学的に扱うのではなく、「言葉」を尽くしてシンプルに解説してほしいと思うのである。
 と、つまり、私は経済学という社会科学になじまない体質なのかもしれない。
 
【目次】
第1章 民主主義と経済の発展
第2章 大きな政府と小さな政府
第3章 選挙で最も影響力があるのは「真ん中の人たち」?
第4章 民主主義は政府を大きくする?
第5章 選挙で最も影響力があるのは「偏りのない人たち」?
第6章 誰が政治家になるのか?
第7章 政治家を働かせるための選挙?
第8章 政治家は選挙前に見栄を張る?
第9章 政治家たちの駆け引き
第10章 民主主義におけるメディア報道
 
【著者】
北村 周平(キタムラ シュウヘイ)
 1984年千葉県生まれ。大阪大学感染症総合教育研究拠点特任准教授(常勤)。 ストックホルム大学国際経済研究所Ph.D.(経済学)。専門は政治経済学、経済発展論。ストックホルム大学在学中に、ハーバード大学、イェール大学、LSEに留学。卒業後、ロチェスター大学ワリス政治経済研究所ポスドク、大阪大学大学院国際公共政策研究科講師、准教授を経て現職。
 
(2023/4/10)NM
 
〈この本の詳細〉

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