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日本語はこわくない
 [言語・語学]

日本語はこわくない
 
飯間浩明/著
出版社名:PHP研究所
出版年月:2021年12月
ISBNコード:978-4-569-85097-9
税込価格:1,595円
頁数・縦:189p・19cm
 
 国語辞典編纂者による日本語エッセー。みんなが日頃感じている日本語の使い方に関する疑問に、ゆるーく答えてくれる。
 「日本語警察」を気にせず、日本語をもっと楽に使いこなそう。言語は揺らぎ、自由なものなのだから。意思が通じればそれでオッケー!
 
【目次】
第1章 敬う日本語―敬語だって変化する
 「ご質問」が失礼ならどう言えばいい?
 「ご」も「お」も両方使えることば
 丁寧すぎる「お」と、ないと困る「お」
 「申し上げます」か、「いたします」か?
 「様」はなるべく隠すのがエレガント
 「参る」と「伺う」の微妙な関係
 「ご自愛」は目上に使いにくいのか?
 「いいですよ」と上司に言いたいとき
 「ご苦労さま」「お疲れさま」の心構え
 何人も登場すると敬語はややこしい
 「なるほど」に関する謎のマナー
 買ってきてくれて、とてもうれしい
 相手の配偶者はどう呼んだらいい?
 
第2章 書き分けたい日本語―ルールはあるけれど
 漢字で書くか、仮名で書くか?
 「受け付け」の「け」はいる?いらない?
 「工事をおこなう」の送り仮名はどうする?
 「指指す」なんて、書いてもいいの?
 モノには「出合う」、人には「出会う」か?
 「分かる」と書かない教科書の不思議
 「こんにちわ」は認められているか?
 読点は、数よりも打つ位置が大事
 
第3章 似ている日本語―どこか違うらしい
 「おざなり」「なおざり」はどう違う?
 「重い」「重たい」1字の有無で違いは?
 「到着次第」か「到着し次第」か?
 「当面の間」か「当面」か?
 「あと」「のち」どっちを使うか?
 「以後気をつける」? 「以降気をつける」?
 「苦笑」「失笑」「爆笑」……笑いって難しい
 「景色」「風景」「光景」似ているようで違う
 「3階」の「階」は清音か濁音か?
 日本は「ニッポン」? 「ニホン」?
 
第4章 こわくない日本語―正しさはあなたが決める
 「ら抜きことば」を見分けるには?
 「全然」の下は肯定も否定も「アリ」
 何でも1個、数え方は単純化する?
 ことばを重ねた重言、楽に考えよう
 「普通においしい」って、どんな意味?
 「大丈夫です」は新しい婉曲表現
 「よろしかったでしょうか」と言うわけは?
 「塩コショウしてあげる」は丁寧すぎ?
 「早く言えば」「要は」をうまく使うには
 「正しい日本語」は誰が決めるのか?
 
【著者】
飯間 浩明 (イイマ ヒロアキ)
 1967年、香川県高松市生まれ。国語辞典編纂者。早稲田大学第一文学部卒業、同大学院博士課程単位取得。2005年、『三省堂国語辞典』編集委員に就任、国語辞典編纂のために、さまざまなメディアや、日常生活の中などから現代語の用例を採集し、説明を書く毎日。
 
(2022/12/8)NM
 
〈この本の詳細〉


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新しいアートのかたち NFTアートは何を変えるか
 [コンピュータ・情報科学]

新しいアートのかたち: NFTアートは何を変えるか (1012;1012) (平凡社新書 1012)
 
施井泰平/著
出版社名:平凡社(平凡社新書 1012)
出版年月:2022年9月
ISBNコード:978-4-582-86012-2
税込価格:1,056円
頁数・縦:267p・18cm
 
 未来のアートの形、NFTアートとは何か、アートにどんな革命をもたらすのかについて、詳しく、広汎に論じる。
 
【目次】
第1章 NFTは情報革命の「ラストパンチ」?
第2章 そもそもアートとは何か
第3章 NFTアートの「現在地」
第4章 未来をつくるインフラとしてのNFT
特別対談 アーカイブとシャンペン(坂井豊貴×施井泰平)
特別対談 文化的・社会的な価値を加える(山峰潤也×施井泰平)
特別対談 冒険者にインセンティブを(武田徹×施井泰平)
 
【著者】
施井 泰平 (シイ タイヘイ)
 1977年生まれ。現代美術家、起業家。2001年、多摩美術大学卒業後「インターネットの時代のアート」をテーマに美術制作を開始。14年、東京大学大学院在学中にスタートバーンを起業し、アート作品の信頼性担保と価値継承を支えるインフラを提供。事業の中心である「Startrail」は公共性が評価され、イーサリアム財団からグラントを受ける。東京大学生産技術研究所客員研究員、経済産業省「アートと経済社会について考える研究会」委員など歴任。
 
【抜書】
●ビープル(p12)
 Beeple。本名マイク・ウィンケルマン、米国のアーティスト。
 2021年3月12日に、NFTアートの「エブリデイズ:最初の5000日(Everydays: The First 5000 Days)」がクリスティーズのオークションにかけられ、6940万ドル(約75億円)で落札された。
 存命のアーティストとしては、ジェフ・クーンズやデービッド・ホックニーの作品に次ぐ歴代3位という落札額になった。
 
●イーサリアム(p33)
 ロシア系カナダ人のプログラマーであるヴィタリック・ブリテンが19歳の時、2013年に発表した構想をもとにつくられたブロックチェーン。「ワールド・コンピュータ」とも称される。送金機能に加えて、より複雑なプログラムも脱中心的な環境で実行・状態保存ができる世界を実現している。こうした環境で動くプログラムは、「スマート・コントラクト(契約の自動実行)」と呼ばれている。
 イーサリアムは誰もが参加できる、しかも隠し事のできない自由な広場のような場所を作り出した。人々はここに集まって独自の通貨を発行したり、ブロックチェーン上の組織を作って資金を集めたり、ほかにも様々な活動をすることができる。
 
●NFT(p34)
 Non Fungible Token。非代替性トークン。
 ブロックチェーン上に記録された売買可能な単位(トークン)だが、それぞれが代替不可能な別々の内容を持っている。
 〔NFTは、そこに紐づけられている作品などの真正性や由来(制作者やつくられた日時など)、そしてその後の流通や利用を示すための、偽造したり書き換えたりすることのできない「証明書」「公式記録」「鑑定書」のようなものとして、あるいは事前に入力した内容を自動執行できる「契約書」として大きな役割が期待されているのです。これをデータに紐づけることで、複製可能なデータに一意性を与え、真正な唯一無二のものとしての取り扱いを可能にするのが、NFTの大まかなコンセプトです。〕
 
●プライマリー、セカンダリー(p46)
 アート市場は、大きくプライマリー(一次市場)とセカンダリー(二次市場)に分かれてる。
 
●還元金(p55)
 NFTアートでは、セカンダリーで作品が売れた場合にも、作家に還元金が自動的に支払われる。
 
●オークションハウス(p64)
 サザビーズ……世界最古のオークションハウス(競売会社)と呼ばれている。1744年、古書の売買を目的として設立された。
 クリスティーズ……1766年、世界最古のアート専門のオークションハウスとして設立された。
 
●クリプト長者(p68)
 暗号資産を初期から買ったり、関連する事業で成功している人。最近のNFTアートを支えている層の中心にいる。
 
●フルオンチェーン(p86)
 作品のデータまで含めた形でNFTをつくること。
 ブロックチェーン上で一つだけしか存在しないNFTアートと呼ぶことができる。また、データが消失することも、改竄されることも起きない。
 
●BAYC(p97)
 Bored Ape Yacht Club。1万匹の異なる姿をした「退屈そうな顔をした類人猿」の絵。
 Yuga Labs社が企画し、2021年にOpenSeaで販売が始まった。コレクティブルとしての側面が強いNFTアート。NFT所有者がSNSのアバターとして使うことも想定し、画像の商用利用までも許可し、さらにはある種の特権性を持った「高級クラブ」のようなコミュニティとしてもデザインされている。
 
●ガバナンス・トークン(p154)
 アニメ系NFTコレクションの「Azuki」は、NFT作品を分割した「ガバナンストークン」をコレクターに販売した。
 たとえば今後の映画化を含めたIP展開の在り方といった運営方針を、ガバナンストークンをもった個人が話し合いや投票を行いながら決めていく。
 このようなブロックチェーンを使って運営する組織のことをDAO(Decentralized Autonomous Organization:分散型自律組織)という。
 
(2022/12/8)NM
 
〈この本の詳細〉


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