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機械翻訳 歴史・技術・産業
 [コンピュータ・情報科学]

機械翻訳:歴史・技術・産業
 
ティエリー・ポイボー/著 高橋聡/訳
出版社名:森北出版
出版年月:2020年9月
ISBNコード:978-4-627-85181-8
税込価格:2,860円
頁数・縦:187p・22cm
 
 機械翻訳はどのように発展してきたのか、その歴史と理論を概観する。
 機械翻訳は、コンピュータの登場とともに、1940年代後半から本格的に始まった。「直接翻訳方式」や「中間言語方式」などの「ルールベース翻訳」の実験が繰り返された。しかし、マシンの性能が貧弱だったこともあり、思うような成果が出ず、下火になっていった。
 息を吹き返したのは、1990年代、「統計的機械翻訳」の手法が提唱されてからだ。マシンの性能も向上し、それまでに蓄積されたコンピュータ言語学の成果も取り入れて大規模な対訳コーパスを分析できるようになったからである。そして現在の主流は、ディープラーニングの手法を取り入れた「ニューラル機械翻訳」となっている。
 本書の原著は2017年の刊行である。その後の3年間、AIの進歩に促された機械翻訳の発展には目覚ましいものがある。それを補うため、中澤敏明による最新の「ニューラル機械翻訳」に関する解説が加えられている。
 
【目次】
翻訳をめぐる諸問題
機械翻訳の歴史の概要
コンピューター登場以前
機械翻訳のはじまり:初期のルールベース翻訳
1966年のALPACレポートと、その影響
パラレルコーパスと文アラインメント
用例ベースの機械翻訳
統計的機械翻訳と単語アラインメント
セグメントベースの機械翻訳
統計的機械翻訳の課題と限界
ディープラーニングによる機械翻訳
機械翻訳の評価
産業としての機械翻訳:商用製品から無料サービスまで
結論として:機械翻訳の未来
解説:2020年時点でのニューラル機械翻訳(中澤敏明)
 
【著者】
ポイボー,ティエリー (Poibeau, Thiery)
 フランス国立科学研究センター(CNRS)研究部長、同センターLATTICE(Langues, Textes, Traitements informatiques et Cognition)研究所副所長。Ph.D.(計算機科学)。専門の自然言語処理のほか、言語獲得、認知科学、認識論、言語学の歴史を関心領域とする。
 
高橋 聡 (タカハシ アキラ)
 翻訳家。日本翻訳連盟副会長。共著書に『できる翻訳者になるために プロフェッショナル4人が本気で教える翻訳のレッスン』(講談社、2016年)などがある。
 
中澤 敏明 (ナカザワ トシアキ)
 東京大学大学院情報理工学系研究科特任講師。専門は自然言語処理、特に機械翻訳。共著書に『機械翻訳』(2014年、コロナ社)がある。
 
【抜書】
●バベルフィッシュ(p1)
 イギリスの作家ダグラス・アダムスのコメディSF『銀河ヒッチハイク・ガイド』シリーズに登場する万能翻訳機(通訳機)。
 片耳に小さな魚(バベルフィッシュ)を1匹押し込んだだけで、どんな言語でも理解できるようになる。
 
(2020/12/14)KG
 
〈この本の詳細〉


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