だからヤクザを辞められない 裏社会メルトダウン
[社会・政治・時事]
廣末登/著
出版社名:新潮社(新潮新書 897)
出版年月:2021年2月
ISBNコード:978-4-10-610897-6
税込価格:836円
頁数・縦:221p・18cm
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暴排条例が、2010年以降、全国の自治体で施行されるようになった。それに伴って、暴力団の活動は下火になり、構成員も減っているが、元暴アウトローや半グレが増加し、反社会勢力は三つ巴の様相を呈し、裏社会は無秩序状態に陥っている。そのおかげで、未成年者や高齢者など、社会的弱者が犯罪に巻き込まれるケースも増えてきた。
そんな裏社会の実態を、反社へのインタビューなどを通してあぶり出す。更生したくてもそれを阻む社会の壁についても言及。慣習的社会のほうに、「ヤクザを(辞めたくても)辞められない」事情も存在するのだ。
【目次】
第1章 暴力団離脱者の実態
就職率3%
元暴5年条項という社会権の制約
ほか
第2章 元暴アウトローの誕生
代紋外せば何でもあり
暴排の陰で格段に増加した高齢者の被害
ほか
第3章 現役幹部と離脱者の胸中
13人の暴力団離脱者、現役組員たちへの聞き取りから
暴力団を辞める理由
ほか
第4章 暴排条例が生んだ「半グレ」
彼らは何者なのか
種類を整理する
ほか
第5章 離脱支援こそが解決への道
希薄化した人間関係が反社のシノギを生む
反社対策に本腰を入れ出した政府
ほか
【著者】
廣末 登 (ヒロスエ ノボル)
1970(昭和45)年福岡市生まれ。北九州市立大学社会システム研究科博士後期課程修了。博士(学術)。龍谷大学嘱託研究員。公益財団法人清心内海塾主席研究員。
【抜書】
●元暴5年条項(p15)
2010年、「暴力団排除条例」(暴排条例)が、福岡県で最初に施行された。
暴排条例には、「元暴5年条項」が内包されている。
暴力団を離脱しても、一定期間(おおむね5年間、あるいは5年超)は、暴力団関係者(暴力団員等)とみなされ、銀行口座を開設することも、自分の名義で家を借りることも、携帯電話の契約も、保険などへの加入もままならない。
(2021/7/1)NM
〈この本の詳細〉
2021-07-01 13:03
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