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図説日本人の源流をたどる! 伊勢神宮と出雲大社
 [歴史・地理・民俗]

図説 日本人の源流をたどる!伊勢神宮と出雲大社 (青春新書)
 
滝音能之/監修
出版社名:青春出版社(青春新書 Intelligence PI-267)
出版年月:2010年3月
ISBNコード:978-4-413-04267-3
税込価格:1,210円
頁数・縦:220p・18cm
 
 日本の「二大神宮」とも言うべき伊勢神宮と出雲大社について、図説を豊富に用いて紹介する(記・紀では両神社と石上神宮にのみ「神宮」の文字を使っているという《P.220 》)。
 著者が「島根県古代文化センター客員教授」だけあって、比重は出雲大社に置かれている。「全国区」「天孫」である伊勢神宮に対して、「地方区」「国津神」出雲大社の意義を強調する狙いがあるか?
 
【目次】
序章 伊勢と出雲
1章 伊勢神宮と出雲大社の原像
2章 日本の創世と祭祀
3章 ヤマト政権と出雲の興亡
4章 日本神話と出雲神話
5章 大和と出雲の文化の伝播
6章 信仰を育んだその風土
7章 ヤマト政権から見た伊勢神宮と出雲大社
 
【著者】
瀧音 能之 (タキオト ヨシユキ)
 1953年生まれ。現在、駒澤大学教授、島根県古代文化センター客員研究員。日本古代史、特に『風土記』を基本史料とした地域史の研究を進めている。
 
【抜書】
●国津神(p40)
〔 本来の国譲り神話は、各地の王がヤマト政権に服従し、屯倉を差し出す。その代わりに自治権を認めるという国造体制を投影したものだった。つまり国土は高天原の神に献上するが、自分たちが政治と国津神の奉斎をするという形だったのだろう。
 ところが中央集権体制への移行に伴い、地方の政務も祭祀も国家が統括することになった。つまり、国津神はお隠れになり、代わって天孫である大王が国を治めていくのである。それゆえ国津神に隠れて(鎮まって)もらう場所として設けられたのが出雲大社だったのだ。これまで信仰を集めてきた国津神の象徴オオクニヌシが自らの宮殿建築を条件に国譲りを承認したという神話に反映され、出雲大社は国津神すべての祭祀の象徴となった。〕
  ↓
 10月に全国の神が集まるのはそのためか。
 
●2000年以上(p60)
 伊勢神宮の神嘗祭の一年の流れ。
〔 四月上旬には神嘗祭などの神事にお供えするお米の稲をまく「神田下種祭〈しんでんげしゅさい〉」が行なわれる。神田は伊勢市楠部〈くすべ〉町と志摩市磯部町恵利原〈いそべちょうえりはら〉の二箇所にあり、主となる楠部の「おみた」は三万平方メートルの作付面積を誇る。由来は倭姫がこの地でアマテラスにお供えする米を作るよう定めた「大御刀代〈おおみとしろ〉」であり、二〇〇〇年以上前から作られてきた。〕
 
●アワビ真珠(p189)
 出雲のアワビは、御埼(現・日御碕)の海人が獲るものが一番だとされた。古代は貢上品、神饌として珍重された。
 アワビの体内で作られる真珠を海人が採取して貢納していたことが知られる。
 
(2023/12/28)NM
 
〈この本の詳細〉


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