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一億三千万人のための『論語』教室
 [哲学・心理・宗教]

一億三千万人のための『論語』教室 (河出新書)
 
高橋源一郎/著
出版社名:河出書房新社(河出新書 012)
出版年月:2019年10月
ISBNコード:978-4-309-63112-7
税込価格:1,320円
頁数・縦:533p・18cm
 
 髙橋源一郎流論語解釈、ってとこか。
 20年ほど前、ある編集部から『論語』の翻訳の依頼があった。「世界の大古典」というような企画だったらしいが、その企画はなくなってしまったものの、それがきっかけで『論語』を読み始め、ほそぼそと『文藝』に連載を続けてきたものを書籍化した、ということらしい。
 
【目次】
レッスン1 学而
レッスン2 為政
レッスン3 八佾(いつ)
レッスン4 里仁
レッスン5 公冶長
レッスン6 雍也
レッスン7 述而
レッスン8 泰伯
レッスン9 子罕
レッスン10 郷党
折り返し地点で
レッスン11 先進
レッスン12 顔淵
レッスン13 子路
レッスン14 憲問
レッスン15 衛霊公
レッスン16 季氏
レッスン17 陽貨
レッスン18 微子
レッスン19 子張
レッスン20 堯曰
 
【著者】
高橋 源一郎 (タカハシ ゲンイチロウ)
 1951年生まれ。81年、『さようなら、ギャングたち』で群像新人賞長編小説賞を受賞しデビュー。2002年『日本文学盛衰史』で伊藤整文学賞、2012年『さよならクリストファー・ロビン』で谷崎潤一郎賞を受賞。著書多数。
 
【抜書】
●関雎(p74)
 60 子曰く、関雎(かんしょ)は楽しんで淫せず、哀しんで傷(やぶ)らず。
 関雎……「(詩経の第一篇の名。その詩の冒頭の「関関雎鳩」の句の略。「関関」は鳴く声の和らぐさま。「雎鳩(しょきゅう)」はみさごで、夫婦仲がよいとされる水鳥。詩は五章で、君子と淑女の愛情をうたっている) 夫婦の道のこと。また、夫婦が和合してかつ礼儀正しいこと。」
 "かん‐しょ[クヮン‥]【関雎】", 日本国語大辞典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2021-02-06)
 
●音楽の四要素(p80)
 63 子、魯の大師(たいし)に楽を語りて曰く、楽は其れ知るべきない。始め作(おこ)すや翕如(きゅうじょ)たり。之に従うこと純如たり。皦如(きょうじょ)たり。繹如(えきじょ)たり、以て成る。
 音楽の四要素を語っているが、その中身は?
 〔儒家が、というか、センセイが「礼楽」一致を説いていたことはよく知られている。音楽の論理と、「礼」の論理が一致することを、センセイは知っていたわけだ。「翕如」、「純如」、「皦如」、「繹如」と、センセイは、音楽の四要素について語っているが、その中身はわからない……と宮崎先生もお手上げだとしてる。〕
 宮崎先生=宮崎市定。
 
●法の支配(p256)
 「折り返し地点で」にて。
〔 そうやって比較していくと、先生のいっている「仁」とか「礼」というものの正体が、なんだかわかってくる(気がする)。政治というものを、王様の恣意に委ねない。もっと、きちんとしたものに基礎をおかなきゃならない。それが、現代では、憲法であったり民主主義だったりするわけですね。ひとことでいえば「法の支配」です。だとするなら、センセイのいっているのも同じことかもしれない。堯や舜はすごい王様だった(実在してないかもしれないけど)。あの統治を再現すれば、みんなが幸せになる。でも、不幸なことに、誰もが堯や舜になれるわけでない。だから、民主主義にしよう、ということになると、ペリクレスです。でも、センセイは、少しちがった考えだった。堯や舜のようになれる「考え方」を定めたのです。〕
 
【ツッコミ処】
・たくさんありすぎて割愛。
 
(2021/2/6)KG
 
〈この本の詳細〉


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