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違和感ワンダーランド
 [社会・政治・時事]

違和感ワンダーランド
 
松尾貴史/著
出版社名:毎日新聞出版
出版年月:2022年1月
ISBNコード:978-4-620-32724-2
税込価格:1,540円
頁数・縦:245p・19cm
 
 毎日新聞に週1回連載中の「松尾貴史のちょっと違和感」の単行本第3弾。2020年7月19日~2021年11月7日掲載分に加筆修正してまとめた。
 
【目次】
第1章 アベからスガへ。何か変わった?
 入場者半分で生まれにくい「相乗効果」
 間の悪いGo Toトラベル
  ほか
第2章 コロナ禍、依然収まらず
 「田分け」以上の愚行 大阪市廃止は投票で防げる
 大阪都構想再び否決 市長「引退」なぜ3年後?
  ほか
第3章 問題を「なかったこと」にしたい人たち
 政治家の銀座クラブ問題 見くびられた国民
 森会長女性蔑視発言を矮小化する人たち
  ほか
第4章 五輪前夜の悪夢
 野田氏の投開票日投稿 「秘書が…」ではすまない
 携帯のイヤホン通話 まるで「独り言」
  ほか
第5章 祝祭後のお祭り騒ぎ
 東京五輪開会式 文化・歴史羅列の印象
 五輪開催中の感染拡大 首相に危機感みえず
  ほか
対談 近田春夫×松尾貴史 「違和感」放談
 
【著者】
松尾 貴史 (マツオ タカシ)
 1960年、兵庫県生まれ。大阪芸術大学芸術学部デザイン学科卒業。俳優、タレント、ナレーター、コラムニスト、「折り顔」作家など、幅広い分野で活躍。東京・下北沢にあるカレー店「般°若(パンニャ)」店主。「週刊朝日似顔絵塾」塾長。
 
【抜書】
●禁煙(p145)
〔 もう30年以上前、禁煙しようとして失敗していた時、一計を案じて「たばこを吸いたくない、欲しくない」と無理やりにつぶやき続けたら、いともやすやすと成功してしまった。これは、禁煙自体を周囲に秘密にしておく必要があったが、誰かから「あれ? たばこ吸ってなかった?」と聞かれても、つぶやきと同じ言葉を繰り返すだけで済んだので、いい感じに暗示にかかって最小限のストレスでたばこを断つことができたのだろう。〕
 
(2022/5/25)NM
 
〈この本の詳細〉


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検証 安倍政権 保守とリアリズムの政治
 [社会・政治・時事]

検証 安倍政権 保守とリアリズムの政治 (文春新書)
 
アジア・パシフィック・イニシアティブ/著
出版社名:文藝春秋(文春新書 1346)
出版年月:2022年1月
ISBNコード:978-4-16-661346-5
税込価格:1,265円
頁数・縦:388, 7p・18cm
 
 7年8カ月続いた第2次安倍政権を総合的に検証する。
 概ね高評価、といったところだろうか。特に外交・安全保障政策に対して、海外からの評価も高いという。
 一方で、「もりかけ問題」といったスキャンダルや、政権末期の新型コロナ対策など、汚点も多いと思うのだが、これらはあまり積極的に検証されていない。
 
【目次】
序論 長期安定政権になったのはなぜか(中北浩爾《一橋大学大学院教授》)
第1章 アベノミクス―首相に支配された財務省と日本銀行(上川龍之進《大阪大学大学院法学研究科教授》)
第2章 選挙・世論対策―若年層を取り込んだ「静かなる革命」(境家史郎《東京大学大学院法学政治学研究科教授》)
第3章 官邸主導―強力で安定したリーダーシップの条件(中北浩爾)
第4章 外交・安全保障―戦略性の追求(神保謙《慶應義塾大学総合政策学部教授》)
第5章 TPP・通商―世界でも有数のFTA国家に(寺田貴《同志社大学法学部政治学科教授》)
第6章 歴史問題―貫徹されたリアリズム(熊谷奈緒子《青山学院大学地球社会共生学部地球社会共生学科教授》)
第7章 与党統制―「首相支配」の浸透(竹中治堅《政策研究大学院大学教授》)
第8章 女性政策―巧みなアジェンダ設定(辻由希《東海大学政治経済学部政治学科教授》)
第9章 憲法改正―なぜ実現できなかったのか(ケネス・盛・マッケルウェイン《東京大学社会科学研究所教授》)
 
【著者】
一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)
 アジア太平洋の平和と繁栄を追求し、この地域に自由で開かれた国際秩序を構築するビジョンを描くことを目的とするシンクタンク。2017年7月設立。理事長は船橋洋一(元朝日新聞主筆)。前身の日本再建イニシアティブとして『福島原発事故独立検証委員会 調査・検証報告書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、など。
 
【抜書】
●外交(p187、神保)
〔 世界システムの中で日本の国力が相対的に低下する中で、日本外交が世界での存在感を高め、米国との同盟関係、G7やG20における議題の主導と調整、インド太平洋構想にみる広域秩序形成を牽引したことは、戦後日本外交史に類を見ない成果だったといってよい。冒頭に述べたとおり、これを可能にしたのは強い政権基盤を背景にした政策の一貫性・持続性と、国際社会の力の分布を十分に加味した国際連携戦略が奏功したからと捉えることができる。そして米中対立を中心とする国際社会の分断が進む中で、日本が分断を回避する役割に奔走したことも、国際社会が日本にその役割を期待したことも、過去に例をみない現象だった。
 他方で苦心して取り組んだロシアとの関係では、日露平和条約交渉が挫折し、北朝鮮との関係で核・ミサイル開発を止めることができず、拉致問題の解決を進展させることもできなかった。「21世紀の外交・安全保障の最大の焦点」としての中国との関係では、日本が対中競争と対中協力をどのように組み合わせるべきか、7年8ヵ月の外交・安全保障戦略が常に模索し続けたといってよい。
 日本が国際社会の中でどのような国になろうとしているのか、困難な課題をどのように解決していくべきか、安倍政権の外交・安全保障政策は多くの可能性と教訓を提示したことは間違いない。〕
 
●国会の自律性(p266、竹中)
 日本の統治制度のもとでは、国会が強い自律性を持つ。参議院の独立性が強い。
 
【ツッコミ処】
・第2次安倍内閣(p282)
〔第2次安倍内閣発足以降、第2次安倍内閣をのぞき、20人以上の規模を誇る派閥からは必ず最低1人の閣僚を起用している。〕
  ↓
 「第2次安倍内閣」をのぞく「第2次安倍内閣」って、無か??
 「第2次安倍政権発足以降、第2次安倍内閣をのぞき、」ってことだろうか。
 それとも、(第2次安倍政権において、第2次安倍内閣までを除いた)「第2次安倍改造内閣以降」のことだろうか?
 安倍晋三が総理大臣になって築いた政権は「第1次」と「第2次」とがあり、第2次「政権」では第4次安倍第2次改造内閣まで9回の組閣があって、ややこしい。
 
(2022/5/25)NM
 
〈この本の詳細〉


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