JAL機長たちが教えるパイロット雑学 キャプテンの仕事にかける想い
[経済・ビジネス]
日本航空/編
出版社名:JALブランドコミュニケーション(JAL BOOKS)
出版年月:2021年3月
ISBNコード:978-4-04-899339-5
税込価格:1,320円
頁数・縦:173p・19cm
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JALグループの現役パイロットによるエッセー集。JALグループ機内誌『SKYWARD』に連載中の「キャプテンの航空教室」「航路トリビア」にて、2018年5月号~2021年2月号に掲載されたもの44編を再編集してまとめた。
男子あこがれの職業(?)であるパイロットの実態が分かって興味深い。やはりというか、当然というか、皆さんよく訓練されていて、前向きで優しい人柄が感じられる。
【目次】
1 どうやってパイロットになるの?
機長の左手
パイロットになる道のり
ほか
2 パイロットにはどんな資質が必要なの?
話し方の工夫
適切な勾配
ほか
3 パイロットの仕事って何があるの?
パイロットの食事事情
新しい飛行機がやって来る!―パイロットの役割
ほか
4 パイロットに特別な技術はあるの?
風を生かして
飛行機と入道雲
ほか
番外編 パイロットのオフの日はどうしてるの?
プラモデル作りで、きっかけ作り
歌で届ける感謝の想い
【抜書】
●標準用語(p38)
コックピット内での会話の要点は、「標準用語」「確認会話」「言語技術」。
標準用語……あらかじめ決められた用語で、決められたときに使う。「チェック、○○!」「○○チェック」、など。標準用語の使用が、短時間で正確にお互いが共通認識を持つために最も効果的。
確認会話……相手が分かっていると思うことでも、重要な内容は必ず復唱し、それぞれの認識が同じほうを向いているか確認し合う。「ここまでの段階で質問や補足など確認することはありませんか?」「確認ですが、○○ということで間違いないですか?」
言語技術……主語を省かず、結論から伝えるような教育を受ける。「私はこう思います。なぜなら○○だからです」
●奇数×1,000フィート(p63)
計器飛行方式で飛行する航空機は、針路によって飛行高度が決められている。
東西の場合、東へ向かう航空機は奇数×1,000フィート、西へ向かう航空機は偶数×1,000フィートの高度を飛行する。
●違う食事(p71)
パイロットも機内で食事をとるが、機長と副操縦士は同じものを食べない。万一の食中毒に備えるため。一人は和食、もう一人は洋食とか、弁当の場合は違う弁当にする。
食べるタイミングも、客室乗務員の忙しい時間帯を避け、パイロット二人が同時に食べるのを避ける。
忙しい中で食事をとるので、パイロットは早食いの習慣が身についている。
●準備(p103)
パイロットの世界では、「予想し準備していることは起こらない」というジンクスがある。
悲観的に予想し、準備を整えて臨めば、何もない平和で快適なフライトになる、だから準備が大切、という教え。
●ウェザーレーダー(p217)
飛行機先端の丸い”鼻”の内部には、ウェザーレーダーが装備されている。
雲中の水滴に向けてレーダー波を発射し、そのリターンの強さで危険度ごとに赤、黄、緑と色分けされてコックピットのMAP計器に表示される。
●13km(p150)
日本で一番短い路線は、琉球エアーコミューター(RAC)が運航している南大東島ー北大東島線。
距離は13km。気象条件がよければ経路を自由に飛行し、離陸してから着陸するまでおよそ7分。
北大東島⇒南大東島は月・金・土・日、南大東島⇒北大東島は火・水・木に運航。
機種はボンバルディアDHC8-Q400CC。
●君と描く空(p170)
JAL空飛ぶ合唱団のオリジナル曲。JALグループの様々な職種の仲間からキーワードとなるフレーズをもらい、合唱団で歌詞にした。〔グループ社員の真心を詰め込んだ曲〕。
毎年、羽田空港で開催されるクリスマスイベントで演奏される3曲のうちの一つ。他は、「浪漫飛行」と新曲。
JAL空飛ぶ合唱団……電子オルガン演奏も含めて15名、全員が現役パイロット。
(2021/10/30)NM
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