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面白くて眠れなくなる化学
 [自然科学]

面白くて眠れなくなる化学 (PHP文庫)  
左巻健男/著
出版社名:PHP研究所(PHP文庫 さ67-3)
出版年月:2017年4月
ISBNコード:978-4-569-76725-3
税込価格:704円
頁数・縦:209p・15cm
 
 化学の面白さを、日常生活に根ざした事象を元に科学的に伝える。
 
【目次】
1 スリリングな化学のはなし
 ドライアイスを密閉すると危険
 爆発とは何だろう?
 ガス爆発が起こる理由
  ほか
2 面白くて眠れなくなる化学
 毒物の代表―青酸化合物とヒ素
 水を飲み過ぎるとどうなる?
 「しょう油をがぶ飲みすると死ぬ」は本当?
  ほか
3 思わず試したくなる化学
 折り紙の銀紙は金属?
 カルシウムは何色?
 ケーキの銀色の粒の正体は?
  ほか
 
【著者】
左巻 健男 (サマキ タケオ)
 法政大学教職課程センター教授。1949年生まれ。栃木県出身。千葉大学教育学部卒業。東京学芸大学大学院修士課程修了(物理化学・科学教育)。中学・高校の教諭を26年間務めた後、京都工芸繊維大学アドミッションセンター教授を経て2004年から同志社女子大学教授。2008年より法政大学生命科学部環境応用化学科教授。2014年より現職。
 
【抜書】
●16~17%(p36)
 空気には、約20%の酸素が含まれている。乾燥空気中には約21%。
 瓶のなかでロウソクが消えたとき、酸素が16~17%になっている。
 私たちの吐く息も、酸素が16~17%になっている。
 
●一酸化炭素中毒(p53)
 一酸化炭素を吸い込むと、血液中でヘモグロビンと強く結びついてしまう。そのため、各細胞に酸素を補給することができなくなる。
 一酸化炭素のヘモグロビンとの結びつきやすさは、酸素の約250倍。
 
●燃えカス(p106)
 食品を燃やしてできた燃えカスの灰が酸性なら「酸性食品」、アルカリ性なら「アルカリ性食品」。
 かつては、体内でも食品の燃焼と同じような反応が起こっていると考えられていた。しかし、燃焼とは700℃以上の高温で急激に起こる激しい酸化作用。「食品の燃えカス次第で体が酸性になったり、アルカリ性になったりすることはない」。
 
●物質(p114)
 物質は、大きく3つに分けられる。
 (1)分子からできている物質(分子性物質)……非金属元素同士が結びついている。固体は分子結晶。
 (2)イオンからできている物質(イオン性物質)……金属元素と非金属元素とが結びついている。固体はイオン結晶。
 (3)金属原子からできている物質(金属性物質)……金属元素だけからできている。固体は金属結晶。
 ダイヤモンドやポリエステルのような巨大分子と呼ばれる物質など、三大物質に当てはまらない物質もある。
 
●アラザン(p128)
 装飾としてケーキの上などにつける小さな銀色の粒。粉砂糖の表面に銀を塗っている。
 ※アラザンの語源はフランス語のargent。まさに「銀」のことである。
 
●塩酸(p148)
 燃焼理論を確立したアントワーヌ・ラボアジェ(1743−94年)は、酸を特徴づける元素として「酸素」を考えていた。
 しかし、食塩と硫酸を原料に作られる塩酸は、酸素を持っていない。
 酸の特徴は、「物質を構成している水素原子が、水溶液中で電離して、水素イオンになること」。スウェーデンの化学者アレーニウス(1859−1927年)の唱えた電離説。
 
●お茶(p152)
 お茶は、製造方法の違いにより三つに分類することができる。
 (1)緑茶……お茶の葉を発酵させないで作る「不発酵茶」。乾燥茶の30%程度のポリフェノールを含む。
 (2)紅茶……お茶の葉を完全に発酵させる「発酵茶」。
 (3)烏龍茶……お茶の葉を適度に発酵させる「半発酵茶」。
  ポリフェノールとは、ベンゼンやナフタレンのような芳香環に複数のヒドロキシ基(-OH)が結合したものが複数集まった化合物の総称。緑茶のポリフェノールのほとんどはカテキン。
 紅茶では、発酵の過程でカテキンが二つ結合したテアフラビン(1〜2%)やテアルビジン(10〜20%)が含まれている。
 烏龍茶にはカテキン、テアフラビン、テアルビジンが含まれている。
 
(2021/12/31)NM
 
〈この本の詳細〉

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