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事件でなければ動けません 困った警察官のトリセツ
 [社会・政治・時事]

事件でなければ動けません 困った警察官のトリセツ (幻冬舎新書)
 
古野まほろ/著
出版社名:幻冬舎(幻冬舎新書 ふ-17-3)
出版年月:2021年9月
ISBNコード:978-4-344-98634-3
税込価格:946円
頁数・縦:237p・18cm
 
 「事件性がないと警察は動けない」という「神話」の実態を検証し、協働者・同盟者であるべき市民と警察の正しい付き合い方を教示する。
 警察に対する批判と擁護の双方の観点を持ち合わせつつ、丁寧に解説してくれる。つまり、不良(ゴンゾウ)警察官もいるにはいるが、大半は職務に忠実でまじめな人たちなので、困ったことが起きた時には上手に彼らを利用して、うまく付き合いましょう、ということ。そのためのトリセツ、「警察官取扱説明書」である。
 
【目次】
第1章 「事件でなければ動けません」?
 警察をめぐる神話と現実
 最大の“警察不信”―事件でなければ動けません
  ほか
第2章 動かない理由、動けない理由
 いわゆる『民事不介入の原則』の呪縛
 現代における“民事不介入の原則”―そもそも存在するのか?
  ほか
第3章 警察を動かすツールとその実際
 110番通報
 初動警察と終局処理
  ほか
第4章 警察アクセスFAQ
 警察への相談は、具体的にどこにするのがよいですか?
 警察には、どのような時間帯に相談をするのがよいですか?夜間だから、昼間に出直してほしいと言われました
  ほか
 
【著者】
古野 まほろ (フルノ マホロ)
 東京大学法学部卒業。リヨン第三大学法学部修士課程修了。学位授与機構より学士(文学)。警察庁1種警察官として警察署、警察本部、海外、警察庁等で勤務し、警察大学校主任教授にて退官。警察官僚として法学書等多数。作家として有栖川有栖・綾辻行人両氏に師事。小説多数。
 
【抜書】
●通信指令本部(p112)
 各都道府県警察本部に設置され、110番通報を受ける初動警察担当セクション。受領後、しかるべき部署に引き継ぐ。24時間365日対応。
 名称は、「通信指令課」「通信指令室」等、都道府県によって様々。
 通信指令本部が所要の指令を出してから、警察官が現場に到着するまでの時間は8分9秒(令和2年度版『警察白書』)。
 110番通報は、無応答・いたずら・かけ間違いを除くと、全国で年間約910万件。約3.5秒に1回、通報を受けたことになる。約14人に一人の市民が110番通報したことになる。
 
●#9110(p122)
 警察相談専用電話番号。110番とは異なり、通常の電話代がかかる。
 緊急の対応までは必要としない相談等に対応する通報先。各都道府県警察本部の「総合窓口」「相談窓口」等に接続される。警察安全相談員なる警察官あるいは警察OBが、事情を聴取しながら対処方法を教示してくれる。
 平成31年3月12日付け警察庁丙総発第25号「相談への迅速・確実な組織対応のための総・警務部門における相談の受理・点検等の実施について」(相談通達)によって、警察庁No.3の官房長が全国警察に通達。
 受付時間は平日の開庁時間。たとえば8:30~17:15など、各警察本部で定めている営業時間。
 閉庁時間帯、土・日・祝日は、音声ガイダンスか、本部で当直をしている警察官(相談対応を任務とする警察官とは限らない)によるガイダンスとなる。
 
(2022/1/11)NM
 
〈この本の詳細〉


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